日本芸術文化振興会は3月24日、国立劇場の再整備をPFI法に基づく特定事業に選定した。振興会による事業の実施に比べ3・1%の事業費削減(VFM)が見込める他、民間収益施設を合築した複合施設とすることで新劇場の魅力や利便性の向上なども期待できるとした。4月ごろにWTO対象の総合評価一般競争入札を公告して事業者選定手続きをスタートし、12月ごろの決定を目指す。事業者が2028年度末までに複合施設を完成させて、29〜48年度に新劇場を維持管理・運営する。
国立劇場(千代田区隼町4ノ1、敷地面積約3・1f)は、既存施設の抜本的な老朽化対策や伝統芸能の伝承・創造機能の強化など目的に、BTO方式のPFI手法で再整備。建ぺい率60%未満、容積率500%未満の計画条件の下で、事業者に延べ床面積5万6000平方bの新劇場と、文化観光に寄与するホテル、事務所やレストランなどの民間収益施設(定期借地権設定契約で事業者が整備・所有・運営)を合築した複合施設を建設してもらう。新劇場の維持管理・運営に加え、別地にある国立能楽堂の維持管理・運営(24〜48年度)も任せる。
香山・山下PMC設計共同体が技術アドバイザリー業務を担当している。
総合評価一般競争入札には、新劇場の設計や建設、工事監理、国立能楽堂を含む維持管理・運営と、民間収益施設の整備などを手掛ける企業にグループで参加してもらう。
このうち、建設の担当企業は▽建築一式=1200点以上▽電気=1100点以上▽管=1100点以上―の競争参加有資格者であることを要件とする。また、設計と工事監理の担当企業は「建設・コンサルティング業務」、維持管理の担当企業は「建物管理等各種保守管理A〜C」、運営の担当企業は「役務の提供等A〜C」の競争参加有資格者などとする他、民間収益施設の担当企業に関する要件を公告時に示す。
提供:建通新聞社