東京都建設局は2022年度に「地域防災担い手確保型工事」を試行する。2・5億円以下の事務所契約案件のうち比較的施工が簡易な工事が対象で、入札参加要件に災害関係の協定や単価契約工事などの実績を求める。災害時の緊急工事やインフラの維持管理を支える地元の中小建設業者が一般工事に参加できる機会を増やし、地域の建設業の担い手の育成・確保を促す狙い。3月17日の「建設局事業における公共工事の品質確保の促進に関するアドバイザリー会議」に制度案を示した。
災害時の緊急工事や平常時のインフラ維持管理に関わる単価契約工事を手掛ける企業は、各地域を拠点とする地元の中小建設業者が多い。一方、これらの中小建設業者は都の主な一般工事では下請けとして携わっているため、都との工事請負契約(元請け契約)の実績が少ないことから、総合評価方式の工事では落札が難しい状況となっている。
モデル工事の受注を通じて一般工事の施工ノウハウを習得するだけでなく、工事成績評定点を得ることで、総合評価方式の受注機会を増やす効果を期待している。また、単価契約工事の実績をインセンティブにして、単価契約工事の入札参加希望者を増やしたい考え。
今後、実施要領などを作成して細かな要件を設定する。モデル工事の完了後にアンケートなどを実施して課題や効果を検証する。
20年度末の時点では、総合評価方式で単価契約工事の実績や災害協定締結の有無などを評価する仕組みを整えようと検討していた。
提供:建通新聞社