国土交通省関東地方整備局は羽田空港(大田区)の鉄道基盤施設整備で、JR新線・開削部のP3駐車場前を対象とする技術協力業務の公募型プロポーザル手続きをスタートさせた。設計段階から施工者のノウハウを反映させるECIの一環で、詳細設計に生かす技術情報の提出や施工計画の作成などを内容とする1000万円程度(税込み参考額、以下金額同じ)の業務だ。空港等土木(客観点数1250点以上)などの有資格者に単体または2〜3社JVで参加してもらうこととし、5月20日まで申請書などを受け付けて審査を進め、7月14日に優先交渉権者を選定する。業務と並行して優先交渉権者を価格などを交渉し、成立した場合には仮設工や土工などの工事も契約を結んで2023年度に着工する見通し。別途随意契約を予定する本体工などを含め、工事費を最大390億円程度と見積もった。29年9月の完了を予定している。
羽田空港の鉄道基盤施設はJR東日本羽田空港アクセス線の終点側約2・4`(JR新線、シールド部+開削部)と、京浜急行引き上げ線の約330b(シールド部他)。総事業費1000億円超を見込み、30年ごろの全工程完了を目指している。
施工場所の狭さや既設構造物との近接、周辺交通の確保といった技術的課題があるため、多様な入札契約方式を検討。その中で、まずJR新線・開削部約500bのうち、P3駐車場前が施工場所で駅ホーム部となる3層2径間・約250bの躯体築造にECIを採用することにした。
今回の技術協力業務は▽技術提案の技術情報の提出▽設計調整協議▽施工計画の作成▽全体工事費の算出―などが内容で、別途委託の詳細設計(4月14日開札)と同様に23年3月10日が履行期限。空港等土木の他、単体とJVのうちの1社は建設コンサルタント等の有資格者でもあることをプロポの参加要件とした。
交渉が成立した場合に優先交渉権者と契約を結ぶ工事は、既存構造物などの撤去工、地中連続壁1・6万平方bや中間杭417本などの仮設工、高圧噴射4・23万立方bの地盤改良工、掘削14・3万立方bの土工、調査工。工事期間は28年3月まで、工事費を300〜330億円程度と見積もった。
これとは別に随意契約する予定の後続工事は、躯体構築3・4万立方bなどの本体工や埋め戻し3・12万立方bの土工、道路舗装などの復旧工、調査工。工事期間は27年度後半〜29年9月、工事費は60億円程度と見積もっている。
提供:建通新聞社