国土交通省関東地方整備局は、建設コンサルタント等業務の発注手続きで、テレビ会議システムを用いた遠隔でのヒアリングを原則化する。コロナ禍以降は対面による感染拡大を避けるためヒアリングを実施してこなかったが、受発注者の双方から技術提案書の内容確認を目的に実施を求める要望が寄せられたことから、遠隔での対応に踏み切る。2022年度の入札・契約、総合評価の実施方針案で打ち出した。
遠隔でのヒアリングはマイクロソフトTeamsなど本人確認が確実にできるツールの採用を想定。参加者のセキュリティーや設備状況を参加表明書の提出時にチェックする。プロポーザル方式、総合評価落札方式(技術者提案評価重視型を除く)で適用する。
また総合評価では、関東地整発注業務の受注実績がない企業の参入機会確保を目的とした「実施能力評価拡大型」を新設する。現行の実績能力評価型をベースに成績・表彰の評価項目を省略し、業務経験と地理的条件の配点を拡大。参加表明書と技術提案書の同時提出や、作成資料の簡略化により受注者の負担軽減を図る。10件程度の試行を見込んでいる。
さらに、照査技術者の配置要件も見直す。これまでは過去10年間に管理技術者・担当技術者としての実績を求めていたが、照査技術者の実績であっても認める。照査のみを行うベテラン技術者が継続的に業務に携われるようにするためだ。
この他、入札に至る前に技術提案書が無効となった場合、提案企業に通知する規定も追加。不要な入札手続きに参加せずに済むようにし、企業の負担軽減につなげる。
建築関係建設コンサルタント業務に関しては、実績がない企業の参入機会を確保するため評価の配分を見直す。例えばプロポーザル方式では民間を含めた業務実績の配点を10点から15点にアップする一方、成績評価を10点から7点、表彰を5点から3点にダウンする。
提供:建通新聞社