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建通新聞社(東京)
2022/02/25

【東京】都交通局 投資規模を15%抑制

 東京都交通局は2022〜24年度を計画期間とする「交通局経営計画2022」の案を公表した。コロナ禍による収入の減少を受け、計画期間中の投資規模は都営交通全体で21度予算と比較して15%程度の抑制を目指す。ホームドア整備や浸水対策をはじめとした安心・安全の確保を最優先としつつ、浅草線リニューアル・プロジェクトなどの大規模事業についても、総工事費の圧縮や投資規模の平準化などを図る。
 計画案によると、新型コロナウイルス感染症の拡大で減少した都営交通の乗客数は24年度まで段階的に回復するものの、その後はコロナ禍前と比較して、地下鉄で15%程度、その他の事業(電気事業を除く)では10%程度の減少が続くと想定している。
 このため、経費の縮減や収益力の強化などを通じて持続可能な経営基盤を確立するとの方針を明示。地下鉄とバス車両の更新数や、施設・設備の更新時期と規模を見直すなどしてコスト削減を図るとしている。
 地下鉄関連の主な取り組みを見ると、浅草線へのホームドア設置を23年度に終え、全駅でのホームドア整備を完了させる。浸水対策の強化に向けては、整備計画を22年度に策定。地下鉄ネットワーク全体の減災や、早期の営業運行再開の実現に向けてハード・ソフト両面から必要な対策を検討する。
 地下鉄駅の地下部や中柱、高架部橋脚の耐震補強では、24年度までの3カ年で合計4駅の工事を実施。地下鉄構造物の長寿命化に関しては、浅草線と三田線で計画的に補修を進めるとともに、新宿線で22年度に試験施工を実施する。
 浅草線のリニューアル・プロジェクトは24年度に東銀座駅の改良を完了させる。市街地再開発事業と一体となった大規模改良工事を行う泉岳寺駅では、27年度に拡幅ホームの供用開始を目指す。地下鉄12号線(大江戸線)の大泉学園町方面への延伸については、コロナの影響も踏まえた将来的な旅客需要の見通しや事業の収支採算性の確保といった課題があることから、引き続き関係機関との検討を進めるとした。提供:建通新聞社