国土交通省関東地方整備局が発注した工事の入札不調・不落率が大幅に改善している。2021年4月から22年1月末までの発生率は13・1%(139件)で、前年度同期の24・9%(320件)を11・8ポイント下回った。関東地整は余裕期間制度の活用や、受発注者のコミュニケーションの強化が奏功したと見ている。
特に、年度末が近づくほど工事発注が進んで建設会社が配置可能な技術者が限られることから、例年は不調不落が増える傾向にあった。その中で22年1月の発生率は2・6%(1件)と、前年同月の35・1%(20件)を32・5ポイント下回り大きく改善した。
関東地整は近年、不調・不落が発生した際に受注者への事後ヒアリングを徹底。その結果を踏まえ、着工タイミングを一定期間の中で選べるようにして技術者配置を柔軟化する余裕期間制度の活用や、無理のない工期・工程の設定を行ってきた。また、管内1都8県の建設業協会との対話の強化や、フレームワークモデル工事の導入にも積極的に取り組んでおり、一連の施策が発注の不調・不落の抑制につながったと見ている。
関東地整は引き続き不調・不落の発生状況をモニタリングし、発注の円滑化に取り組む。
提供:建通新聞社