トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2022/02/15

【東京】都 主要施設維持更新 10年で7・5千億

 東京都は2022年度から31年度の10カ年で7500億円程度を投じ、278施設・総延べ床面積約234万平方bを対象として設備更新や大規模改修、改築などを実施する。計画的に維持・更新をして長寿命化を図るだけでなく、工事の機会を捉え、防災対応力の強化や環境負荷の低減、「新しい日常」への対応といった課題の解決に取り組む。2月15日に財務局が公表した「第三次主要施設10か年維持更新計画」の案でこれらの方針を示した。
 主要施設の維持更新計画は、改築・改修時期を迎える都有施設の維持更新を計画的に行い、施設の機能不全や安全性の低下を防ぐための指針。現行の「第二次」は15〜24年度の10カ年が計画期間となっている。
 ただ、近年では風水害が激甚・頻発化していることに加え、省エネ・再エネの推進、国産木材の活用、新たな日常への対応などが都政の重要課題として浮上。このため「第二次」を計画期間の途中で見直し、新たに22年度から10カ年の「第三次」を策定して課題の解決を図ることになった。施工時期や財政負担の平準化、長寿命化の推進によるライフサイクルコストの縮減にも取り組んでいく。
 「第三次」の対象は、一般会計で管理する都有施設約3900施設のうち、約23%に当たる278施設。「第二次」から継続中の施設に加え、@築35年程度以上、延べ床面積3000平方b以上(大規模改修か改築)A築10年程度以上、延べ床面積1万平方b以上(設備機器などの改修)B改修・改築の必要性が高いその他の施設―の観点で選んだ。庁舎や体育・文化・福祉施設、都立学校、警察・消防署などが含まれており、具体的な施設名は事業が予算化された段階で年度ごとに公表する予定だ。
 また、敷地内に築年数が異なる複数の施設が混在する場合の更新の考え方を新たに明示した。築年数の浅い施設の配置が築年数の古い施設の維持・更新工事の妨げになる場合は、築年数の浅い施設の改築も選択肢に入れ、仮設・動線計画や工期、コスト、施設運営などを勘案しながら検討を進める。
 22〜31年度の10カ年を3期に分割して事業を実施する。7500億円程度の概算事業費の内訳として、第1期の22〜24年度で1700億円、第2期の25〜27年度で2200億円、第3期の28〜31年度で3600億円と見積もっている。提供:建通新聞社