東京都財務局建築保全部は府中高校の改築・改修とあきる野学園の増築・改修に関わる建築工事で、それぞれ「担い手モデル工事」を試行する。いずれも2月中に一般競争入札手続きを開始する予定だ。府中高校は「週休2日モデル工事」と「女性活躍モデル工事」を適用。あきる野学園には「週休2日モデル工事」を適用する他、「技術者育成モデルJV工事」の試行対象とする。
各工事の概要を見ると、府中高校(府中市栄町3ノ3ノ1、敷地面積3万0769平方b)では鉄筋コンクリート一部鉄骨造3階建て延べ1万3530平方bの新たな校舎棟の建設などを行う。工期は2024年9月まで。工事発注規模は35億〜50億円と見積もっている。基本・実施設計を松田平田設計(港区)が手掛けた。
特別支援学校のあきる野学園(あきる野市上代継123ノ1、敷地面積2万7098平方b)では鉄筋コンクリート造3階建て延べ5162平方bの新棟を増築するとともに、既存校舎の一部・延べ床面積480平方bを改修する。工期は24年11月まで。工事発注規模は16億〜23億円を見込む。基本・実施設計は昭和設計(港区)が手掛けた。
財務局建築保全部の「担い手モデル工事」は建設業の担い手育成と環境整備を目的に試行。「女性活躍」「週休2日」「若手育成」の3種類がある。
今回適用する種類のうち「女性活躍」は、入札参加に当たり監理技術者、監理技術者補佐、現場代理人、主任技術者、担当技術者のいずれかに女性技術者を1人以上配置するよう求める。さらに、女性専用の▽更衣室▽水洗洋式トイレ▽洗面台・鏡―などの設置を義務付けることに加え、モデル工事の広報活動に取り組むことを条件にする。
また「週休2日」は、土日・祝日と12月29日〜1月3日は原則として工事を行わないことが条件。現場閉鎖の達成状況を確認し、週休2日が確保できなかった場合は、契約金額のうち労務補正分を減額変更する。
一方、「技術者育成モデルJV工事」は都内中小企業の技術研さんの機会をつくり、技術力を確保・向上するため試行。第1順位を大企業、第2順位を都内本店の中小企業としたJVを結成して入札に参加してもらう。一般的なJVの場合と同様に、第2順位の企業には3カ月以上の直接的・恒常的な雇用関係がある主任技術者の配置を義務付ける。
工事の完成後、第2順位の企業が配置した主任技術者の技術力向上・習得などの育成成果を評価。成果が第2位順位の企業内に有効にフィードバックされたことを確認できた場合には工事成績評定で加点する。
提供:建通新聞社