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建通新聞社(東京)
2022/02/01

【東京】多摩モノレール、町田延伸ルートを決定

 東京都と町田市や多摩市などで構成する「多摩都市モノレール町田方面延伸ルート検討委員会」は、多摩センター駅〜町田駅間の延伸ルートについて、日本大学第三高校、桜美林学園などを経由する延長16`の案(B案)の採用を決めた。町田市内の主要拠点をおおむね経由するため確実な需要が見込めるだけでなく、延伸を契機にさらなるまちづくりの可能性が期待できる点などを評価。1日当たり約7万5000人の利用を想定している。都は今後、B案を基本に収支採算性の精査などを進める方針だ。
 多摩都市モノレールは都がインフラ部を整備するなどして、1998年に立川北駅〜上北台駅間(立川市〜東大和市)の約5・4`、2000年には多摩センター駅〜立川北駅間(多摩市〜立川市)の約10・6`が開業した。延伸計画のうち、先行する上北台駅から箱根ケ崎方面(東大和市〜瑞穂町)については、導入空間となる新青梅街道の拡幅に向けた用地買収が進んでいる。トーニチコンサルタント(渋谷区)が1月14日の履行期限で基本設計を手掛けていた。
 今回の多摩センター駅〜町田駅間(多摩市〜町田市)は、国の交通政策審議会の答申を受けて事業化に向けた検討を深める路線で、19年10月に都と沿線自治体などによる検討委員会が発足。21年12月までに全4回の会合を重ね、未確定だった忠生地区を中心に▽A案(交政審の答申ルート、延長約13`)▽B案(同約16`)▽B’案(同約16`)▽C案(同約13`)―の4ルートを挙げて費用便益とまちづくりの観点から比較した結果、B案を選んだ。
 B案を具体的に見ると、多摩センター駅から小野路、野津田公園、図師、小山田桜台団地、桜美林学園、町田市民病院、町田高校を経て町田駅に達する。他のルートに比べて速達性がやや劣るものの、小山田桜台団地や桜美林学園など現時点で確実に需要が見込める拠点を経由するだけでなく、現道がある地域を経由するため新駅周辺などで新たな沿線開発が期待できると結論付けた。
 また、交政審答申ルートのA案は速達性に優れるものの、現道がなく小山田緑地をトンネルで通過するため沿線開発の余地が少なく、環境への影響も懸念されると判断した。
 検討委員会の決定を踏まえて都は今後、地元市に対して沿線まちづくり構想の策定などを促して、需要の創出につながるまちづくりの深度化を図りつつ、収支採算性の精査などを進める。精査などの結果しだいでは、A案やC案を改めて検討する可能性もあるとしている。

《町田市長「事業化へ大きく前進」》

 町田市の石阪丈一市長は多摩センター駅〜町田駅間のルート案決定を受けて、1月28日に談話を発表。その中で「事業化に向けて大きく前進した」との認識を示しつつ、「今後はまず、モノレール沿線のまちづくりの計画の策定に着手する。さらに、モノレール導入空間となる幹線道路の新設、拡幅の都市計画決定を東京都と連携して進めていく」ことで、町田方面延伸の早期実現を目指すとした。提供:建通新聞社