東京都財務局は工事の施工時期と設計等委託の履行期限の平準化を加速させる。工事は各局ごとの達成状況を数値化して公表。設計等委託では各局に債務負担行為などの活用を促して、第3四半期までを履行期限とする案件の割合を増やす方針だ。各局の関係部署を支援しながら、2022年度から5年程度で取り組みを展開し、計画の立案から予算要求、完了まで複数年度にわたる事業の各段階で平準化を推進する。1月26日に開いた入札監視委員会・制度部会(部会長・堀田昌英東京大学大学院工学系研究科教授)に報告した。
都はこれまで19〜21年度の3年間で平準化に取り組んできた。工事(建築・土木・設備)と設計等委託(設計・測量・地質調査)でそれぞれ21年度の目標値を設定。このうち工事では、施工時期の平準化率(年度の平均稼働件数に対する4〜6月の平均稼働件数の比率)を▽建築=0・9以上(20年度実績0・85)▽土木=0・9以上(0・89)▽設備=0・8以上(0・77)―と定めており、全体的には目標の達成に向け堅調に推移している。
ただ、局ごとに進捗や取り組みに温度差があるため、財務局は今後、各局ごとの達成状況を数値化して公表することでそれぞれの意識改革を促す。また、起工部署や経理部署、契約部署などの関係部署が連携して平準化に取り組めるよう支援する予定だ。
一方、設計等委託は2〜3月が履行期限となる案件の割合を▽設計=40%以下(20年度実績52%)▽測量=40%以下(56%)▽地質調査=35%以下(34%)―にするのが目標。しかし、実績との開きが大きく、いまだ6割が第4四半期に集中しているため「一層の努力が必要な状況」(財務局)となっている。
そこで今後は各局に対し、真に必要な業務を除いて履行期限が3月にならないよう配慮を求めたり、履行期限が12月までになるよう債務負担行為の設定を促したりする。既に22年度の予算要求に際して、債務負担行為や繰越明許費の積極的な活用を呼び掛けたという。
3年間の取り組みが最終年度を迎えたことに加え、事業は計画の立案から予算要求、完了まで複数年度にわたるため、22年度からは取り組みの期間を5年程度に延ばし、事業の各段階で平準化を推進していく。
提供:建通新聞社