東京都建設局は「積算照査」の外部委託を本格実施する。同局が作成した設計図書を、起工前に技術士かシビルコンサルティングマネージャ(RCCM)がいる民間コンサルタントなどに確認してもらうもので、第三者の視点によるチェックを通じて違算を防ぎ、設計図書の品質を確保するのが狙い。原則として今後発注する土木工事と土木設備工事に適用。工事の予定価格に関わらず、各事務所が業務を委託する。
積算照査の受託に当たっては、技術士(建設部門または総合技術監理部門「建設」)かRCCMの資格を持ち、都所管の積算照査委託か、国土交通省関東地方整備局所管の積算技術業務を過去5年間に1件以上担当した経験がある技術者の配置を求める。
委託の中で設計図書と指示事項の照合、積算方針との整合、数量・歩掛・単価の適正さ、違算の有無の確認を含め、総合的に誤りがないかを確認。特に、土木積算システムへの入力内容をチェックしたり、積算の根拠となる資料と設計図書を整合したりして、誤りがあった場合には修正してもらう。設計図と数量計算書、工事設計内訳書などを相互に照らし合わせる「赤黄チェック」も実施する。
建設局の各事務所が推定総金額方式の単価契約で委託する。橋梁など特殊で専門的な工事の場合は、詳細設計と積算照査を併せて総価契約で委託することも可能となっている。
積算照査の外部委託は、改正品確法で定める発注者の責務を果たすため、都が作成した設計図書の品質をより一層確保する方策の一つ。建設局では土木工事の一部で2019年から試行しており、一定の成果が見られたことから、適用範囲を広げて本格実施に踏み切った。
提供:建通新聞社