国土交通省関東地方整備局と東日本高速道路会社、中日本高速道路会社は12月24日、東京外環トンネル施工等検討委員会を開き、掘進を停止している大泉側本線、大泉ジャンクション(JCT)ランプ、中央JCTランプの各シールド工事で調布市内と同様の陥没事故を起こさないための再発防止対策を提示した。検討委はこの内容を「妥当」と認め、施工状況や周辺環境の監視に細心の注意を払うよう注文。関東地整らは準備が整い次第、再発防止対策や安全・安心の確保に向けた取り組みを地元住民に説明していく。
検討委は再発防止対策について、国交省が策定を進めている「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」の内容を踏まえたものであることを確認した。
対策の具体的な内容としては、▽適切な試験を基に添加材を調整することで土砂の「塑性流動性」を確保▽必要に応じてボーリング調査を追加▽チャンバー内の圧力のリアルタイム監視と土砂の状態の総合的な判断により、塑性流動性を確保できない場合は一時停止と原因究明、対策検討を実施▽過剰な土砂の取り込みをいち早く把握―などを盛った。
さらに、周辺地域の安全・安心を高める取り組みとして▽滑剤の充てんによるシールド掘進時の騒音・振動の緩和▽騒音・振動のモニタリングの強化▽地表面変状の確認▽今後掘進する区間の行動の路面下空洞調査―などを位置付けた。
大泉側本線シールドトンネル(武蔵野市吉祥寺南〜練馬区大泉町)は、南行きを清水・熊谷・東急・竹中土木・鴻池JV、北行を大成・安藤ハザマ・五洋・飛島・大豊JVがそれぞれ受注。Fランプ(練馬区石神井町〜東大泉)は大成・飛島・大豊JVが施工。中央JCTはAランプ(三鷹市北野1丁目〜牟礼1丁目)とHランプ(北野1丁目〜2丁目)のいずれも清水・竹中土木JVが担当している。
検討委は、陥没が発生した東名側本線シールド工事の今後についても議論。まずは、陥没・空洞箇所周辺での地盤補修や補償に優先的に取り組むこととした。
その上で、今回まとめた再発防止対策について、東名側本線シールド工事への適用を検討するよう求めた。今後、同工事の地盤条件などを踏まえて改めて対策をまとめ、検討委での審議・確認を経て地元説明を行うこととした。
提供:建通新聞社