東日本高速道路会社は12月14日、東京外かく環状道路(外環)のシールドトンネル工事に伴う調布市内の陥没事故を巡り、周辺エリアではトンネル掘進によって地盤が弱くなったり、空洞が生じたりした事実は確認されなかったと発表した。有識者にも相談の上、ルート沿いを流れる入間川の東側で浅層ボーリングなどの追加調査を実施して結論付けた。同社はこれを受けて、陥没が起きたトンネル直上の地盤補修や補償などの対応を急ぐ方針だ。
当日発表した主な内容は、入間川の東側では▽トンネル掘進に伴う振動は震度0相当で、土粒子が移動することは通常考えられない▽標準貫入試験などでは特異な空隙(くうげき)や空洞は確認されなかった▽トンネル掘進の影響がない箇所の調査結果と比較しても地盤強度の違いは見られなかった▽液状化が発生する可能性はないと判定された▽表層地盤はべた基礎や布基礎の適用基準を上回る強度がある―など。併せて、土砂の取り込み過ぎによる地盤の緩みはトンネル直上以外で確認されていないとした。
12月17・18日に調布市の滝坂小学校(東つつじケ丘1丁目)で説明会を開き、関係住民に地盤の調査状況や地盤補修の検討状況を伝える。
陥没事故は昨年10月に調布市東つつじケ丘2丁目付近で発生。トンネル掘進を止めて原因の究明や再発防止策を検討し、今年9月には地盤補修が必要な範囲をトンネル直上の延長約220bと特定して施工方法を練っている。
また、地盤補修範囲の約30軒に対する補償(仮移転、土地・建物の買い取り)や、工事の影響範囲内でひび割れなどが起きた約200軒の補修に向けて住民との交渉を進めている。
提供;建通新聞社