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建通新聞社(東京)
2021/12/09

【東京】関東地域の流域治水 課題集約し政策提案

 関東地域の13水系で2021年度に本格始動した流域治水の取り組みをさらに加速させるため、国土交通省関東地方整備局は関係省庁の地方支分部局との連携を強化する。11月には省庁間の施策情報を共有するための連絡会議を設立。これまで流域単位で進めてきた治水対策の課題、好事例を収集し、水平展開するとともに、全国的な対応が求められる場合は国交省本省などへと政策を提案していく考えだ。
 流域治水は、河川管理者による堤防整備などのハード対策に加え、自治体や企業など流域のあらゆる関係者が連携して水害に備える取り組み。関東地整管内では13水系が対象で、ハード整備だけで総額約4兆5000億円を見込む。流域ごとに国の出先事務所や自治体などが参加する協議会を設けてプロジェクトを進めている。
 今回、関東地整が設立した連絡会議には、▽財務省関東財務局▽農林水産省関東農政局▽林野庁関東森林管理局▽経済産業省関東経済産業局▽気象庁東京管区気象台▽環境省関東地方環境事務所▽水資源機構▽森林研究・整備機構−が参加。各機関が個別に進めている施策を共有し、各水系の治水対策に反映する。
 初回の会議では、関東財務局からは雨水貯留浸透施設の整備に国有地を活用できるとの提案があった。関東農政局は、田に雨水貯留機能を持たせる観点から農地整備事業の制度拡充を22年度予算で要求していることを報告した。
 今後は、各水系が抱える課題を吸い上げ、22年2〜3月に予定している次回会合で情報を集約。その内容を基に「現場と国交省本省の動きをつないでいく」(後藤裕也関東地方整備局河川計画課長)考えだ。提供:建通新聞社