東京都下水道局は「週休2日制確保モデル工事」の対象に下水道用設備工事を追加する。12月1日以降に起工する案件に適用。若手技術者の確保・育成のためには土日を休日とする「完全週休2日制」を将来的に実現する必要があるとの方針の下、これまでは土木と建築工事に適用していたモデル工事を段階的に拡充する。
都が試行する週休2日制確保モデル工事には、入札の公表時点で週休2日を参加要件とする「発注者指定方式」と、契約後の工事着手前に受注者と発注者が協議して適用の可否を決める「受注者希望方式」の二つの発注方式がある。
下水道局では、2020年4月に「発注者指定方式」を土木工事で開始した。今年1月には「受注者希望方式」を導入するとともに、建築設備を含む建築工事にも拡大。今回、新たに下水道用設備工事を追加することになった。
下水道用設備工事の積算方法は、現場閉所率が4週6休以上(現場閉所率21・4%以上)の場合に閉所率に応じた補正係数を共通仮設費と現場管理費に乗ずるとともに、直接工事費と共通仮設費に計上される単価のうち労務費と機械経費(賃料)について補正を適用した単価を計上する。
例えば、4週8休以上(現場閉所率28・5%以上)の場合は▽共通仮設費率1・04▽現場管理費率1・06▽労務費1・05▽機械経費1・04―の補正率を適用する。
「発注者指定方式」は発注者がモデル工事を選定した上で、当初設計時に4週8休として経費を補正する。現場閉所の達成状況を確認して4週8休に満たない場合は、達成状況に応じて補正分を減額変更する。一方、「受注者希望方式」ではモデル工事の実施を受注者が希望した場合に現場閉所の達成状況に応じて補正分を増額変更する。
いずれの方式も、案件公表時にモデル工事である旨を特記仕様書に記載する。
現場着手日から工事完了までの期間に4週8休以上を達成した場合は、工事成績評定の「創意工夫と熱意」の項目で加点対象として評価。週休2日を実施できなかった場合でも、工事成績は減点しない。
また、現場着手日から工事完了日までの期間が1カ月(30日)未満の場合や単価契約、緊急対応工事などはモデル工事の対象外とする。
提供:建通新聞社