東京都は築地市場跡地の再開発に向けて、公募型プロポーザル方式で事業予定者を選定する。都市整備局が11月25日にまとめた「築地地区都有地活用事業の実施方針の方向性について」の中で明らかにした。2021年度内に実施方針を公表して資格要件などの詳細を示した上で、22年度に公募手続きに入る。
築地市場跡地は中央区築地5、6丁目地内の面積約23f。都が定期借地権を設定し、民間事業者に貸し付けて再開発を実施してもらう。
19年3月に策定した「まちづくり方針」では、先行整備と本格整備に分けて事業者を公募・選定して段階的に事業を進める計画としていた。しかし、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期を受けてスケジュールなどを変更。先行整備と本格整備の事業者を一括で公募・選定することにした。
都市整備局の「築地地区都有地活用事業の実施方針の方向性について」によると、同地区のコンセプトを「水と緑に囲まれ、世界中から多様な人々を出迎え、交流により、新しい文化を創造・発信する拠点」と設定。将来像として、水辺と緑に囲まれた立地や文化・歴史資源を生かしつつ、都心と臨海部を結ぶ拠点をイメージしている。
大規模集客・交流機能を持つ施設や屋外広場をはじめ、文化を創造・発信する場の整備などを想定。また、船着き場の整備などを通じて舟運ネットワークを活用・強化し、地下鉄やバスと連係させることで交通インフラの拡充も図りたい考え。
計画の具体化に当たり、▽ゼロエミッションの実現、国産木材の活用▽デジタルと先端技術の活用▽施設整備・運営における将来の新たな感染症の予防・拡大防止―の三つ視点を新たに追加。整備の進め方については事業者の創意工夫を生かす。
21年度内に公表する実施方針の中で、公募型プロポーザルで求める具体的な提案内容や選定スケジュール、開発の方向性などを示す予定となっている。
提供:建通新聞社