国土交通省関東地方整備局の関東DX・i−Construction人材育成センターで、中小建設業のICT活用を後押しする取り組みが本格化している。11月15日に小規模現場でのICT施工技術の導入効果の検証をスタート。16日には同局が「ICTアドバイザー」として認定した民間企業13社がノウハウを紹介するウェブセミナーも始まった。中小建設業、自治体職員に参考となる情報を発信し、建設業界全体の生産性の底上げにつなげる。
小規模現場でのICT施工技術の導入効果は、センター内に現場を模して設けた実証フィールドで検証。15、16日に小型MC建機を用いた敷均し・整正作業を行った。
その中で、技術協力企業のアクティオは整正作業の仕上げ時にMCが効果を発揮することを確認。同じく日立建機は丁張りの省略による時間短縮を実証した。
16日に見学した金杉建設(埼玉県建設業協会会員)の小俣陽平氏は「市街地での作業で丁張り設置をなくすことができれば、近隣住民の負荷軽減に非常に有効だ」と期待を寄せた。
今後、19日にかけて管路掘削や構造物設置、舗装修繕といった自治体発注工事に多い工種で同様の検証を進める。結果をICT活用の手引きなどの形でまとめ、自治体などに水平展開する。
〈ノウハウ蓄積、共有がポイントに〉
一方、ウェブセミナーはセンターの教室から全国に配信。16日はICT施工に欠かせない3次元データの「計測」がテーマだった。
講師の1人を務めた建設システムの須賀川純一氏は「3次元データの作成は難しいものではない。ノウハウをいかに社内で蓄積し、共有していくかがポイントとなる」と述べ、受講者にICT施工への挑戦を促した。
17日に「施工」、18日には「建機」をテーマに据え、建設企業や建機レンタル企業がICT技術の特性や、現場に導入する際の留意点などについて解説する。
提供:建通新聞社