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建通新聞社(東京)
2021/11/11

【東京】羽田JRシールド、設計はシビック・工営JV

 国土交通省東京空港整備事務所は羽田空港(大田区)の鉄道基盤施設整備で、JR東日本羽田空港アクセス線のシールドトンネル構築に関わる基本設計業務の委託先を日本シビックコンサルタント・日本工営JVに決めた。「令和3年度 東京国際空港空港アクセス鉄道シールドトンネル他基本設計」と題して進めた簡易公募型プロポーザル手続きで選定した。業務を通じてシールドトンネルと発進立坑の構造断面、シールドマシンの機種や発進方法などを検討した上で▽施工計画▽概算数量▽概略工程▽概算工費―を具体化していく。並行して技術的な課題への対応策やECIを含む多様な入札契約方式の検討も始める見通しだ。
 羽田空港の鉄道基盤施設整備は、JR東日本羽田空港アクセス線・新線建設区間(東京貨物ターミナル〜羽田空港新駅、延長約5`)の終点側に当たる約2400b(シールドトンネル約1900b、開削トンネル約500b)と、京浜急行引き上げ線の約330b(シールドトンネル他)が対象。2023年度にJRの開削トンネルから本体工事をスタートし、30年ごろの全工程完了を目指す。総事業費1000億円超を見込む。
 基本設計業務の委託先を決めたJRのシールドトンネルは、東京空港警察署の隣接地に設ける発進立坑から、東側貨物地区やB滑走路端部などの地下を最大土被り約42bで抜けて京浜南運河に達するところまで構築し、残りをJR東日本に引き継ぐ計画。内径10・6bの単円断面トンネルで、発進立坑を含む検討延長を1980bとする与条件の下で作業を進めてもらう。22年3月25日が履行期限となっている。
 一方、開削トンネルは羽田空港のP3駐車場と国道357号の間を走る空港構内道路などが導入空間。島式1面2線のプラットホームを持つ駅(延長約311b)などを収める格好で、駅部の大半を対象とした基本設計業務をパシフィックコンサルタンツ(千代田区)に委託した。
 京急引き上げ線に関しては、京急空港線羽田空港第1・第2ターミナル駅の端部から第2旅客ターミナルのエプロン方面に向かって▽コンコースを改築(開削工法、延長30b)▽ボックストンネル1本を構築(推進工法、延長14b)▽複合円形断面トンネル1本を構築(シールド工法、延長285b)―することを計画。基本設計業務の委託先を選ぶため、公募型プロポーザルの手続き中だ。
 これらの工事はいずれも、施工場所の狭さや既設構造物との近接、周辺交通の確保といった技術的課題がある中で実施しなければならない。このため対応策を検討する委員会(委員長・菊池喜昭東京理科大学教授)を設け、まず本体工事の皮切りとなるJR新線の開削トンネルに照準を合わせて議論を始めた。
 ECIを含む多様な入札契約方式についても、21年度内に第三者委員会を立ち上げて、それぞれの施工内容に応じた最適案を考えることになっている。提供:建通新聞社