国土交通省関東地方整備局は10月20日、管内発注機関の発注関係事務に関する2020年度調査の結果を公表した。工事・業務の地域平準化率やダンピング対策といった全国統一の指標だけでなく、工事への最新の積算基準の適用や業務でのウイークリースタンスの実施など関東地整の独自指標も含め、全項目が前年度に比べ改善した。各指標の達成を求める24年度を見据え、発注者協議会などを通じてさらなる取り組みを促していく。
国交省は改正品確法を踏まえ、国の機関や自治体、高速道路会社などの発注機関が全国統一で達成を目指す発注関係事務(工事)の目標値を設定。各機関の状況を可視化することで、自発的な改善の取り組みを促進する狙いがある。関東地整は20年度に独自の指標も定めた。
関東地整による20年度調査の結果から管内471機関の状況を見ると、工事関係の全国統一の取り組みでは「地域平準化率」が0・71となり、前年度に比べ0・03ポイント改善。債務負担行為や繰り越しの活用に加え、19年東日本台風の災害復旧工事の稼働が20年度第1四半期に集中したことも改善に寄与したとみられる。
「週休2日対象工事の実施状況」は0・44で、0・18ポイントの大幅改善。都県・政令市で対象工事が増加した。
「低入札価格調査基準または最低制限価格の設定状況」は0・88で、0・03ポイントとわずかながら向上した。ただ、設定済みの自治体の中には対象金額が1000万円以上と高いところが17%程度あるため、今後は対象金額の見直し(引き下げ)も焦点になりそうだ。
関東地整の独自指標のうち「最新の積算基準の適用状況および基準対象外の対応状況」では、適正に対応している機関が48機関増えて369機関となった。「設計変更ガイドラインの策定・活用状況」については、策定・活用している機関が44機関増えて278機関となった。
業務関係も全ての指標で改善した。全国統一指標では、履行期限の分散を目的とした「地域平準化率」が目標値(0・5以下)を達成し、0・48となった。
「低入札価格調査基準または最低制限価格の設定状況」は0・02ポイント向上し0・77(19年度実績値)となった。20年度には2都県が新たに制度を導入したことで、さらに改善する見通しだ。
「ウイークリースタンスの実施」の達成者も1機関増えて24機関となった。発注者協議会を通じ、さらなる制度の周知に取り組んでいく。
提供:建通新聞社