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建通新聞社(東京)
2021/10/07

【東京】都 太陽光設置義務化、環境審で検討へ

 東京都議会第3回定例会の代表質問が10月5日に行われ、建物新築時の太陽光発電設備の設置義務化や業務委託での最低制限価格制度の試行、風水害対策などについて小池百合子知事と関係局長らが答弁した。このうち、太陽光発電設備の設置義務化を巡って小池知事は「東京都環境審議会に分科会を設置して専門家による審議を開始するとともに、関係団体などからの意見を集約して、対象や支援の在り方などについて深化していく」と述べ、都独自の制度導入に向けた検討の進め方を示した。
 小池知事は9月28日に開会した第3回定例会の所信表明で、建物新築時に太陽光発電設備の設置を義務付けるため、都独自の制度導入を検討する方針を明らかにした。これを受けて5日の代表質問では複数の会派が今後の取り組みをただした。
 答弁の中で小池知事は、都が推進する『ゼロエミッション東京』を実現するためにも「都内で1年間に新築される5万弱の建物のうち、98%を占める住宅などの中小建築物の環境性能が重要になる」と説明。併せて「太陽光設備の費用は年々下がっており、機は熟している」と設置義務化に向けた検討への意気込みを語った。
 業務委託での最低制限価格制度は10月に全庁的な試行が始まった。これを踏まえ小宮安里氏(都議会自民党)は「本格実施に向けた検討に入るべき時だ」と主張。加えて、「本格実施をする際は、これまでの試行で都が積み上げてきた実績を検証するとともに、受注者の意見も反映するべきだ」と促した。
 答弁に立った潮田勉財務局長は、「最低制限価格制度については事業者のさまざまな声に配慮しながら、試行を踏まえて本格実施に向けた取り組みを着実に進めていく」と前向きな姿勢を見せた。また、工事などの発注に当たっては「分離分割発注の徹底や総合評価での加点措置による受注機会の確保などによって、地域を支える地元中小企業の発展に向けて入札契約制度面からも支援していく」と述べた。
 風水害対策に関しては、増子博樹氏(都民ファーストの会)が質問。建物の地下に設置されるケースが多い電気室の浸水被害を防ぐため、「電気室を地上階に設置した場合の事業者へのインセンティブを検討するべき」と提案した。
 これに対し上野雄一都技監は容積率の緩和で対応する考えを表明。住宅や老人ホームなどで「浸水リスクの低い一定の高さ以上の地上階に電気室の設置を促せるよう、10月中にも特定行政庁の容積率の許可基準を改定する」との見通しを示した。提供:建通新聞社