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建通新聞社(東京)
2021/09/24

【東京】都 辰巳にアイスアリーナ、味スタにパラC

 東京都オリンピック・パラリンピック準備局は東京五輪の会場となった施設の後利用で、東京辰巳国際水泳場を「東京辰巳アイスアリーナ(仮称)」、味の素スタジアムの屋内施設を「東京都パラスポーツトレーニングセンター(仮称)」に転用する。改修に向けてそれぞれ2021年度内に実施設計に入り、アイスアリーナは23年度の着工、25年度の開業を目指す。パラスポーツトレーニングセンターは22年度の工事と同年度内の開業を予定している。いずれも管理運営に指定管理者制度の導入を検討していく。各施設の概要や整備スケジュールなどを盛る「施設運営計画」の中間まとめで明示した。
 東京辰巳国際水泳場の所在地は江東区辰巳2ノ8ノ10(敷地面積2万2772平方b)。規模は鉄筋コンクリート造一部鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上3階建て延べ2万2319平方bで、1993年に完成した。東京五輪では水球の競技会場になった。
 東京五輪の水泳競会場として近接地に東京アクアティクスセンターを新築したため、別の機能を持つスポーツ施設としての後利用を検討。都内に数が少なく、利用ニーズも高いアイスリンク施設へと改修し、都内で初めて通年利用できるようにする方針を19年3月に決めていた。
 中間まとめによると、1階にメインリンク(60b×30b)とサブリンク(47b×17b)を配置。観客席は固定席を約3500席、仮設席を約1500席設ける。2階には会議室やカフェ、売店などを整備する。
 メインリンクはフィギュアスケートやアイスホッケー、ショートトラック、カーリングなどの競技大会の会場として活用し、サブリンクは都民が日常的に利用できる場とする。年間の延べ利用者数は約25・7万人を想定。年間運営費は約1・65億円と試算している。
 改修のための基本設計業務は、建設時の実施設計を担当した環境デザイン研究所(港区)に特命随意契約で委託。8月21日の履行期限で完了した。2021年度内に実施設計に入り、23年度からの改修工事につなげる。
 一方、味の素スタジアム(調布市西町376ノ3)の屋内施設は東京都パラスポーツトレーニングセンターに転用し、パラアスリートが継続的に練習できる拠点とする。
 対象施設の延べ床面積は6195平方bで、体育室や集会室などを設けている。00年に完成し、19年度にはバリアフリー対応の改修工事が完了した。
 中間まとめでは地下1階に▽体育室(面積744平方b)▽トレーニング室(520平方b)▽多目的室(186平方b)―などを配置。地上1階に▽小体育館(82平方bと123平方bの2カ所)▽集会室(86平方bを3室)▽多目的スタジオ(127平方b)―などを整備するとした。
 年間延べ約3万人の利用を想定。年間運営費は約2・2億円と試算している。
 近く実施設計業務委託の入札手続きを始め、11月から作業を進める予定。現在は新型コロナウイルス感染症の「酸素・医療提供ステーション」として使用しているため、状況を見ながら22年度に改修工事を実施していく。提供:建通新聞社