国土交通省東京空港整備事務所は、羽田空港アクセス線の新駅整備に伴う基本設計の委託先をパシフィックコンサルタンツ(千代田区)に決めた。「東京国際空港アクセス鉄道開削トンネル他基本設計」と題して進めた簡易公募型プロポーザル手続きで選んだ。対象は新駅のうち終点側の地下2層・延長約260b。2021年度内に成果を得て、22年度以降に詳細設計や工事を実施する見通し。
羽田空港アクセス線はJR東海道線田町駅付近(港区芝浦1丁目)から大井ふ頭の東京貨物ターミナルを経由して、羽田空港内の新駅(大田区羽田空港3丁目)に至る延長約12・4`。このうち東京貨物ターミナル〜羽田空港新駅の約5`が主にトンネル構造とする新線建設区間(事業費約3000億円)で、今年1月にJR東日本が鉄道事業許可を得た。29年度の開業を目指している。
新駅は羽田空港のP3駐車場と国道357号の間を走る空港構内道路などを導入空間に整備する。地下1〜2層で延長約311b、外幅約22bの開削ボックストンネルとし、地下2層目に機械・電気関連設備、地下1層目に島式1面2線のプラットホームを置く計画。躯体は直轄事業での建設を予定している。
今回の基本設計では、終点側に当たる地下2層・延長約260bについて▽基本寸法などの確認・整理▽供用中の圧密沈下計算▽構造断面の検討▽耐震性の照査▽近接構造物への影響の検討▽仮設土留め工の検討▽対策工の検討―を実施。その上で、施工ステップ図を作るなどして概算数量と概算工費を算出したり、概略工程を考えたりする。22年2月28日が履行期限となっている。
東京空港整備事務所はまた、新線建設区間のうち羽田空港内約2`のシールドトンネル構築に伴う基本設計も行う。委託先を選ぶ簡易公募型プロポ―ザルの手続き中で、10月21日の特定通知を予定している。
提供:建通新聞社