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建通新聞社(東京)
2021/09/21

【東京】土木工事書類、10月から全面電子化 地整

 国土交通省関東地方整備局は土木工事書類を全面的に電子化するとともに、書類作成を巡る受発注者の役割分担を明確化する。具体的な対応をまとめた「土木工事電子書類スリム化ガイド」を9月21日にホームページで公表し、10月1日に適用をスタート。過剰な書類作成をなくして受発注者双方の負担を軽減し、働き方改革を加速させる。電子書類を基本とすることで、ウェブ会議の開催などを通じて事務業務のデジタル・トランスフォーメーション(DX)にも生かす。
 2018年度に策定した「土木工事書類スリム化ガイド」を受発注者の意見を踏まえて改定し、書類の全面的な電子化を打ち出した格好。10月1日以降に入札の局内手続きを始める工事では、新たなガイドに基づき対応するよう仕様書に明記する。既発注工事にも適用し、受注者だけでなく監督職員や現場技術員も対応するよう求める。
 新ガイドでは、書類形式は電子データを原則とし、作成・提出・管理に当たってASPの活用を徹底。受注者・発注者がそれぞれ作成する書類を一覧にして、役割分担を明確にした。施工内容が未確定な場合は正式な指示後に施工計画書の作成・提出を求めることなどを規定した。
 各種打ち合わせは電子データを用いて開催することとし、タブレットやウェブ会議システムの活用にも努めるよう求めている。
 概算・概略数量の発注工事では、詳細設計の指示書類や工事目的物の変更に伴う指示資料の作成を発注者の役割に分類した。ワンデーレスポンスは当日中に十分な回答ができなくても、正式な回答日を通知するようにする。
 工事成績評定に際して受注者に提出を求める「創意工夫、社会性等に関する実施状況」については、1工事で最大10項目の上限を設定。過剰な説明資料を不要とし、不要な書類を作成しても工事成績評定の評価対象にはしないことを改めて記した。工事検査も電子データに基づき行う。
 新ガイドは管内の都県にも参考送付する。新ガイドの検討で意見交換した建設業団体からは「ぜひ全国展開してほしい」との声が寄せられたという。提供:建通新聞社