国土交通省関東地方整備局が委託する建設コンサルタント業務で、事業促進PPPの不調率が下がるとともに実施件数が拡大している。2017年度に本格導入して以降、公告件数の半分〜3分の2程度しか契約できていなかったが、20年度の受注制限緩和、技術者の常駐・専任緩和を経て、21年度(6月末時点)は17件公告し15件の契約にこぎ着けた。本年8月からは新たに、事業促進PPPの実績に対するインセンティブ措置を設けており、さらに活用件数を増やしたい考えだ。
事業促進PPPは、国の職員が柱となり、民間技術者のチームとともに事業計画の整理や、測量・調査・設計業務などの個別業務の指導調整、事業管理、施工管理などを行うもの。国の職員数の減少、業務の複雑化を背景として導入の拡大に取り組んでいたが、18年度は9件公告し6件契約、19年度は18件公告し8件契約、20年度は23件公告し12件契約と不調率が高かった。
こうした現状を踏まえ、20年12月に事業促進PPPとの同時受注の制限対象を「発注者支援業務」全体から「調査設計資料作成業務」に縮小。さらに主任技術者・担当技術者の常駐・専任を緩和したところ、21年度は不調率が大幅に下がった。
8月からはさらに、事業促進PPP業務の管理技術者としての指導実績を積んだ場合、他の業務を総合評価で発注するときに「マネジメント経験」として評価する制度を整備。さらに、事業促進PPPの管理・主任技術者の経験を、プロポーザル方式で業務を委託する際に「部長・事務所長表彰」と同等に加点するインセンティブも整備した。
9月6日に開いた建設コンサルタンツ協会との意見交換で、同業務の拡大状況を報告。合わせて、受発注者の業務分担の明確化や、常駐技術者の就業環境の改善などに引き続き取り組む方針を説明した。
提供:建通新聞社