東京都は設計等委託(建築設計・土木設計・設備設計・測量・地質調査)を対象にした最低制限価格制度の試行を拡大する。現在は財務局契約の一部案件に適用している制度を、10月から知事部局の契約案件にも適用する方針だ。試行対象の案件には入札公告などに最低制限価格を設けた旨を記載する。最低制限価格の算定基準は国に準拠する。
財務局では2020年10月に最低制限価格制度の試行を開始。同局が契約する競争入札案件のうち、WTO政府調達協定の対象と総合評価(落札)方式、単価契約の案件を除いた「建築設計」「設備設計」「土木設計」「測量」「地質調査」の各業務の中から対象案件を選んでいる。
これまでに試行した案件は20年度に2件、21年度に1件の計3件。案件名は「東京都南多摩東部建設事務所町田東工区(2)改修工事実施設計」(20年11月12日開札)、「都庁舎(2)地震計更新工事基本設計」(21年2月4日開札)、「東京都立大学晴海校舎(3)防水改修工事実施設計」(8月2日開札)。3件とも入札契約事務手続きを円滑に終え、事業者側の混乱も報告されていないことなどから、各局にも試行を拡大する。
最低制限価格の算定基準は国に準拠。設定額の算定式は建築設計を「直接人件費+特別経費+技術料等経費×0・6+諸経費×0・6」、土木設計を「直接人件費+直接経費+その他原価×0・9+一般管理費等×0・48」、測量を「直接測量費+測量調査費+諸経費×0・48」、地質調査を「直接調査費+間接調査費×0・9+解析等調査業務費×0・8+諸経費×0・48」とする。
また、設定額が下限値に満たない場合は下限値を、上限値を超える場合は上限値をそれぞれ最低制限価格として設定する。建築設計と土木設計は下限値を「予定価格×0・7」、上限値を「予定価格×0・8」で算定する。測量は下限値を「予定価格×0・7」、上限値を「予定価格×0・82」、地質調査は下限値を「予定価格×0・7」、上限値を「予定価格×0・85」とする。
提供:建通新聞社