東京都下水道局は区部の老朽化した下水道管の再構築で、世田谷区や品川区、目黒区などが含まれる第2期エリアの延長約7300`を対象とした検討を始める。現在進めている第1期エリア(都心4処理区)の再構築を2029年度までに完了させる目標の下、これに続く第2期エリアの再構築の着手に向けて計画を練っていく。計画の策定に関する調査検討業務を9月に委託し、21年度内に成果を得る。
下水道局が管理する区部の下水道管は総延長約1万6100`に及ぶ。このうち高度経済成長期以降に整備した管渠が大量に法定耐用年数の50年を迎えるため、アセットマネジメント手法を導入して計画的な維持管理を展開。法定耐用年数より30年程度延命化した「経済的耐用年数」(80年程度)で再構築する方針だ。
再構築事業は整備年代別に三つのエリアに分け、老朽化対策に併せた雨水排水能力の増強などを一体的に実施する。
現在進めている第1期エリアは面積約1万6300f、延長約4500`。20年度末の累計で面積1万0082fの枝線を再構築した。経営計画の期間である21〜25年度に3500fの再構築を新たに実施するなどして、29年度末までに完了させる目標を掲げている。
今回検討する第2期エリアは主に森ケ崎処理区と落合処理区、新河岸処理区が対象で、面積約2万7700f、延長約7300`。世田谷区内に分流地区があることや、既設管に塩ビ管と陶管が多いことなど第1期エリアとの違いを考慮して効果的な再構築の手法を探る。
計画の策定に関する検討業務の委託先は希望制指名競争入札で決める。土木・水系関係調査AまたはBの競争入札参加有資格者から9月3日まで希望申請を受け付けて、9月29日に開札する。22年3月15日納期で成果をまとめてもらう。
提供:建通新聞社