国土交通省関東地方整備局は羽田空港アクセス線の整備で、羽田空港内約2`のシールドトンネル構築に伴う基本設計をスタートさせる。業務(税込み参考業務規模4800万円程度)の委託先を選ぶため、所管の東京空港整備事務所が8月27日に簡易公募型プロポーザルの手続き開始を公示。建設コンサルタント等Aの競争参加有資格者(単体、JV)から9月6日まで参加表明書、9月17日〜10月4日に技術提案書を受け付けて審査を進め、10月21日に特定通知する予定だ。2021年度内に業務成果を得て、後続の実施設計などに役立てる。
羽田空港アクセス線はJR東海道線田町駅付近(港区芝浦1丁目)から大井ふ頭の東京貨物ターミナルを経由して、羽田空港内の新駅(大田区羽田空港3丁目)に至る延長約12・4`。このうち東京貨物ターミナル〜羽田空港新駅間の約5`を新線の建設(事業費約3000億円)で対応することとし、JR東日本が今年1月に鉄道事業許可を得た。新線建設区間の大半に当たる約4・8`をトンネル構造とする。29年度の開業を目指している。
関東地整が基本設計を始める羽田空港内のシールドトンネルは延長1・98`。第2旅客ターミナルの北西敷地に設ける立坑から、東側貨物地区やB滑走路端部などの地下を最大土被り約43bで抜けて、京浜南運河に達するところまでが対象だ。内径10・6bの単円断面トンネル内へ上下線の軌道を敷設するとともに、軌道下に避難や保守のための空間を確保する計画となっている。
業務を通じてシールドトンネルと立坑の構造断面、シールドマシンの機種や発進方法などを検討した上で▽施工計画▽概算数量▽概略工程▽概算工費―を具体化する。関係機関との協議資料なども作る。22年3月25日を期限に成果をまとめてもらう。
関東地整は別途、新設建設区間の終点に設ける羽田空港新駅(開削ボックストンネル)の基本設計についても委託先を選定中だ。
提供:建通新聞社