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建通新聞社(東京)
2021/08/19

【東京】都 KK線の整備内容案を作成へ

 東京都都市整備局は東京高速道路(KK線)を歩行者中心の公共空間に用途転換するための整備内容案を作成する。整備・管理運営主体や事業手法を検討する他、周辺の再開発を含めたまちづくりとの調整、歩行者デッキ・地下通路との効果的な接続方法などについて都としての方針をまとめる。これに伴う業務(財務局契約案件)の委託先を9月に決定。2022年3月納期で成果を得て、建物所有者の東京高速道路会社や地元区など関係者との協議に備える。
 KK線は中央区銀座8丁目(蓬莱橋)〜銀座1丁目(新京橋)の総延長約2`。土地を都が、建物を東京高速道路が所有して高架施設の上部を無料の自動車専用道路として活用している。管理運営費は高架下のビルテナントからの賃貸収入で賄っている。
 現在は首都高速八重洲線と接続しているが、首都高速都心環状線・日本橋区間の将来的な地下化に併せて自動車専用道路を廃止し、開放的で緑豊かな歩行者中心の公共空間とする計画だ。
 3月に策定した「東京高速道路(KK線)再生方針」によると、KK線を用途転換した後も無料で利用できる管理運営スキームとしたい考え。
 整備内容を具体化するため、「東京高速道路(KK線)に係るまちづくり調査・検討等業務委託」と題した業務の中で、整備内容案の作成と関係者の合意形成に必要な調査・検討・協議などを実施する。
 整備内容案は主な交通結節点からのアクセスや緑の空間の創出、地域の歴史・魅力活用、首都高とのつなぎ、次世代モビリティ導入の可能性といった観点で3パターン作成。それぞれの案について整備費と維持管理費を算出するとともに、周辺開発との連携の方法や事業実現性などを勘案して事業スキームを詰めていく。
 また、高架施設の公共性の担保を目的に、歩行者系機能を有する空間としての都市計画を新たに定める方針。このため今回の業務を通じて都市計画の具体的な種類や内容などを検討し、都市計画手続きに必要な図書と関係資料をまとめる。
 委託先は希望制指名競争入札で決める。都市計画・交通等計画AかBで地域・地区計画に登録のある競争入札参加有資格者から8月20日まで希望申請を受け付けて、9月8日に開札。22年3月18日納期で業務成果を得る。
 日本橋区間の地下化や周辺のまちづくりの動向などを勘案しつつ、一部区間の早期解放も視野に入れて段階的に整備を進めたい考え。30〜40年代を目標に全区間の整備完了を目指す。提供:建通新聞社