国土交通省関東地方整備局は、受注者が建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用を希望した場合、発注者が求める目標の達成状況に応じて工事成績評定点を加点する「CCUS活用推奨モデル工事」を東京都内の直轄工事で初めて試行する。8月6日に荒川下流河川事務所が一般競争入札を公告する「R2荒川左岸扇地区緩傾斜堤防他工事」で、一般土木Cの競争参加有資格者から8月20日を期限に申請書などの提出を求める。9月3日まで入札書と工事費内訳書を受け付けて、10月4日に開札する。
モデル工事の実施は、東京建設業協会が2020年12月に関東地方整備局に要望していた。同局では20年度に群馬県内と山梨県内、21年度に埼玉・長野・栃木の各県内から試行案件を選んでいる。
モデル工事では、受注者がCCUSの活用を希望した場合に取り組むべき指標として▽平均登録事業者率(最低70%、目標90%)▽平均登録技能者率(最低60%、目標80%)▽平均就業履歴蓄積率(最低30%、目標50%)―を設定。
3指標全てで目標基準を達成すると工事成績に1点加点し、さらに平均登録技能者率で90%を達成するともう1点追加する。いずれかの指標で最低基準を下回ると、工事完成検査の終了後に未達成項目とその要因、改善策の報告を求める。
今回の工事は地域精通度、地域貢献度を重視する「地域密着型」の総合評価落札方式を適用。また、23区か近隣の多摩11市(武蔵野、三鷹、清瀬、東久留米、西東京、調布、小金井、小平、東村山、国分寺、狛江)に本店または支店、営業所があることを参加要件とする。
工事場所が2地区あり、扇地区(足立区扇2)では法覆護岸工(大型連節ブロック張り約2600平方b他)など、堀切地区(葛飾区堀切4)では道路土工(約200立方b)などを実施する。工期は22年3月25日まで。
提供:建通新聞社