神宮球場や秩父宮ラグビー場などを連鎖的に建て替える「(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業」の最新の計画が分かった。新しい秩父宮ラグビー場の規模をこれまでより拡大し、施設建築物の総延べ床面積を約56万5000平方bとする。工事スケジュールも見直して、2022年度の着工、36年度の全体工事完了を目指す。
神宮外苑地区の再開発は港区北青山1・2丁目、新宿区霞ケ丘町地内の約17・6fで計画。地区内の神宮球場、秩父宮ラグビー場、伊藤忠商事東京本社ビルなどを連鎖的に建て替える。
事業者は三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)、伊藤忠商事の4者。20年1月の時点では総延べ床面積約53万2200平方bの施設建築物を整備するとし、伊藤忠商事東京本社ビルの解体を皮切りに21〜34年度で工事を実施する予定でいた。
最新の計画によると、新しい秩父宮ラグビー場は地下1階地上7階建て延べ床面積約7万6700平方bの規模で、延べ床面積が約3万2800平方b増えた。JSCがBT+コンセッション方式のPFI手法を導入し、想定収容人数約2万5000人(2万席)の全天候型スタジアムを中心とした施設の整備を考えている。今秋にも実施方針を策定するなどして事業者選定手続きをスタートさせる。
これ以外の施設は▽事務所棟=地下5階地上38階建て延べ床面積約21万3000平方b(事務所、店舗、駐車場など)▽複合棟A=地下2階地上40階建て延べ床面積約12万7300平方b(事務所、店舗、駐車場など)▽野球場・球場併設ホテル棟、文化交流施設棟=地下1階地上14階建て延べ床面積約11万7700平方b(野球場、宿泊施設、公園支援施設、店舗、駐車場など)
▽複合棟B=地下1階地上18階建て延べ床面積約3万0300平方b(宿泊施設、スポーツ関連施設、公益施設、駐車場など)―で、これまで通りの延べ床面積となっている。
今後のスケジュールは21年度内の地区計画変更、22年度の再開発事業施行認可を経て、22年度内に着工。27年度に新しい秩父宮ラグビー場の1期(フィールドとスタンド3面)、31年度に新しい野球場の工事をそれぞれ終えるなどして、36年度に全ての工事を完了させる予定でいる。
関連して近傍に立つ聖徳記念絵画館前の軟式グラウンド敷地を活用し、広場やテニス場棟(2階建て延べ床面積約1万5300平方b)などが整備される見通しだ。
提供:建通新聞社