国土交通省関東地方整備局の2021年度第1四半期の不調・不落発生率が約10%となり、前年同期の21・4%の半分以下(10ポイントダウン)と大幅に改善したことが分かった。関東地整は、フレームワーク方式や公募型指名競争入札といった発注手法の積極的な導入に加え、各事務所による管内1都8県建設業協会との意見・情報の交換が入札の円滑な執行につながったと分析。都県の工事発注が本格化する夏以降も直轄工事の不調が増えないよう、引き続き受発注者間の密接なコミュニケーションに取り組んでいく。
関東地整が4〜6月に契約した工事は約350件で、このうち38件が入札参加者のいない不調、または予定価格以下の応札がないなどの理由で契約に至らない不落だった。
関東地整管内の入札不調・不落の通年での発生率を見ると、18年度以降の直近3年間で20%を超えており、特に東日本台風が発生した19年度(26・7%)、復旧工事が本格化した20年度(25・6%)は非常に高い水準にあった。
関東地整はこうした状況を踏まえ、20年度から不調の発生が想定される工事でフレームワークモデルや公募型指名競争入札を積極活用。余裕期間制度も取り入れてきた。
これらに加え、局長以下トップダウンで取り組んできたのが、建協とのコミュニケーションの強化だ。3月には局と1都8県の建協と入札参加を促す仕組みづくりなどについて意見交換。その後も発注予定の公表などのタイミングに合わせて各事務所の幹部が建協への情報提供、意見交換を行うなど、業界とのコミュニケーションの改善に取り組んできた。
関東地整は今後も不調・不落の状況を継続的に監視。発生原因を分析したり、必要に応じて善後策を練ったりして管内に水平展開する方針だ。
提供:建通新聞社