国土交通省関東地方整備局は羽田空港アクセス線の新駅整備に伴う基本設計をスタートさせる。新駅のうち終点側の地下2層・延長約260bが対象。所管の東京空港整備事務所が8月中に業務の委託先を決めて作業を進める。2022年度以降に詳細設計や工事を実施する見通しだ。
羽田空港アクセス線はJR東海道線田町駅付近(港区芝浦1丁目)から大井ふ頭の東京貨物ターミナルを経由して、羽田空港内の新駅(大田区羽田空港3丁目)に至る延長約12・4`。田町駅〜東京貨物ターミナル付近間の約7・4`を東海道貨物線(休止中)の改良、東京貨物ターミナル〜羽田空港新駅間の約5`を新線の建設で対応する。
JR東日本が今年1月に新線建設区間の鉄道事業許可を得た。事業費約3000億円。29年度の開業を目指している。
このうち新駅は羽田空港のP3駐車場と国道357号の間を走る空港構内道路などを導入空間に整備する。地下1〜2層で延長約311b、外幅約22bの開削ボックストンネルとし、地下2層目に機械・電気関連設備、地下1層目に島式1面2線のプラットホームを置く計画で、躯体は直轄事業での建設を予定している。
今回の基本設計は、終点側に当たる地下2層・延長約260bについて▽基本寸法などの確認・整理▽供用中の圧密沈下計算▽構造断面▽耐震性照査▽近接構造物への影響検討▽仮設土留め工▽対策工の検討―を実施。その上で、施工ステップ図を作るなどして概算数量と概算工費を算出したり、概略工程を考えたりする。
「東京国際空港アクセス鉄道開削トンネル他基本設計」と題し、簡易公募型プロポーザル方式で業務(税込み参考業務規模5300万円程度)の委託先を選定中。建設コンサルタント等の競争参加有資格者(単体、JV)から7月8日まで参加表明書を受け付けた。7月15日〜8月5日の技術提案書の提出などを経て、8月19日に特定通知する予定だ。22年2月28日を期限に成果をまとめてもらう。
提供:建通新聞社