東京都建設局は神田川に新設する調節池の候補地を絞り込むための基礎調査を実施する。また、境川上流部と目黒川流域でもそれぞれ新たな調節池の整備を計画しており、2020年度までに実施した関連の委託結果を踏まえて事業計画を具体化する。河川・流域ごとに検討を進めるため、財務局が業務委託に向けた希望制指名競争入札の手続きを開始した。7月2日まで希望申請を受け付け、同月21日に開札する。22年2月末までに成果をまとめ、関係機関との協議に備える。
都は30年度までに約150万立方b分の調節池を新たに事業化する目標を定めている。整備対象は▽石神井川▽野川▽目黒川▽仙川▽呑川▽境川▽神田川▽渋谷川・古川―の8河川。各河川で、調節池の整備候補地の選定を順次進めている。
このうち神田川では、新宿区西早稲田3丁目(高戸橋)〜文京区目白台1丁目(駒塚橋)に容量約30万9000立方bの調節池を確保する。形式は地下トンネル式とする。
今回の委託業務では調節池の整備候補地を精査するため、主要施設の概略配置や調節池の基本構造、施工計画などについて検討し、計画を具体化していく。
境川上流部は町田市木曽西(中里橋下流)〜町田市根岸(根岸橋)区間を対象に、地下箱式で容量約24万立方bの調節池を整備する。
委託業務では用地範囲や調節池上部の荷重条件などを踏まえて本体基本構造と工法、取水施設などを検討。維持管理施設に関しても、調節池上部や近隣の雨水調整池などを活用して整備する場合の施設配置計画を比較検討し、想定される課題について整理する。
目黒川流域では地下トンネル式の調節池を整備して合計約47万2000立方bの貯留量を確保する。具体的には北沢川の世田谷区池尻〜宮前橋間で容量13万2000立方b、烏山川の梶山橋〜若林橋間で28万3000立方b、蛇崩川の世田谷区上馬〜駒留橋間で5万7000立方bの規模を想定している。
委託業務は調節池に必要となる維持管理施設を検討するため現地調査を実施し、下水道管理者や公園管理者との調整内容、施設周辺の土地利用状況などを考慮して施設配置計画を整理する。
業務委託の入札は土木・水系関係調査の河川・水理調査に登録がある競争入札参加有資格者を対象に、境川上流部でA等級、神田川と目黒川流域ではA等級またはB等級の事業者からの申請を受け付ける。
提供:建通新聞社