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建通新聞社(東京)
2021/06/02

【東京】小池知事 柳瀬川・奈良橋川に調節池検討

 東京都の小池百合子知事は6月1日、2021年第2回都議会定例会の開会に当たっての所信表明で、豪雨対策の強化の必要性を説きながら「新たに柳瀬川と奈良橋川を調節池整備の検討対象に加える」と述べた。また、渋谷区渋谷1丁目の再開発で新たな交流拠点を整備するため「夏に事業者の募集を開始する」と明言。事業を通じて「安心・安全かつ地域の特色を生かしたまちづくりに取り組む」との考えを示した。
 小池知事は「全国各地で毎年のように甚大な風水害が起きている」と語り、豪雨対策の必要性を訴えた。都は今年4月、埼玉県との境を流れる柳瀬川の流域を対策強化流域に追加。河川整備の具体的な取り組みを示す「柳瀬川流域河川整備計画」を今後改定し、新たな調節池の整備に向けた検討を本格化させる。また、整備中の環状七号線地下広域調節池については「将来の地下河川化を含め、延伸に向けた検討を引き続き進めていく」とした。
 事業者の公募時期を明言したのは「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業」。児童会館の跡地などに複合施設を整備する計画で、「民間の創意工夫を生かしながら、子供の創造性を育む施設の整備や多世代が交流できる空間を創出する」と述べた。
 3月に公表した実施方針では、7月に公募型プロポーザルの手続きをスタートし、10月に事業提案書を受け付けて、12月ごろに事業者を決めるスケジュールを予定していた。事業者が22年度に建設工事を始める見通しだ。
 さらに、無電柱化にも触れて「防災機能の強化に欠かすことができない」と事業の意義を強調。5月に公表した無電柱化計画の改定案を引き合いに、「今後5カ年で約1400`の整備に向けて取り組む」との目標を掲げた。提供:建通新聞社