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建通新聞社(東京)
2021/05/12

【東京】都 柳瀬川流域で護岸・調節池整備を検討

 東京都の都市整備局と建設局は豪雨対策を重点的に実施するエリアを拡大し、都と埼玉県の境を流れる柳瀬川流域を対策強化流域に追加した。今後、立川市など流域に関係する各市町が浸水対策を実施していくための基礎となる「柳瀬川流域豪雨対策計画」を新たに策定するともに、河川整備の具体的な取り組みを示す現行の「柳瀬川流域河川整備計画」を改定し、護岸だけでなく新たな調節池の整備も検討する。
 柳瀬川流域は埼玉県南部と東京都北部にまたがる流域面積95・5平方`(東京都流域45・2平方`)、法定延長19・6`(東京都区間8・19`)の荒川水系の1級河川。都内では流域を構成する柳瀬川、空堀川、奈良橋川の3河川が▽立川市▽東村山市▽東大和市▽清瀬市▽武蔵村山市▽瑞穂町―の6市町を流れている。
 近年は台風や局地的な豪雨による浸水被害が頻発していることを踏まえ、建設局は20年1月に豪雨対策アクションプランを策定した。区部で時間雨量75_、多摩地域で65_の降雨対策を推進する対策強化流域に神田川流域など9流域を設定し、調節池や護岸の整備を進めている。
 今回、19年の台風19号をはじめとする過去の浸水被害状況や降雨状況、流域特性、河川整備の現状などを反映して柳瀬川流域も対策強化流域に追加することを決めた。
 具体的な取り組みとしては、河川整備と流域対策、避難につながる情報提供などの豪雨対策を総合的に進めるための基礎となる「柳瀬川流域豪雨対策計画」の策定に着手する。
 また、現行の柳瀬川流域河川整備計画(06年3月策定、計画期間30年間)は1時間当たり50_規模の降雨への対策を定めていることから、時間65ミリ降雨に対応した計画へ見直す。
 関連する市町の流域対策では、雨水流出抑制事業と一時貯留施設などの設置に関する実施計画策定委託費、工事費を補助交付対象に追加する。また、清瀬市に対しては狭い道路面下の地下埋設物を避けながら貯留浸水施設を設置する方法を検討したり、水位観測などを実施したりする取り組みなどを支援する方針だ。
提供:建通新聞社