東京都建設局は無電柱化計画の改定案をまとめた。都道は年間の整備規模を倍増し、2040年代の無電柱化完了を目指す。21年度から5カ年の整備計画延長を1407`に設定。緊急度の高い第1次緊急輸送道路は24年度までに無電柱化を50%完了させるとともに、環状七号線内側エリアや主要駅周辺で優先的に取り組む方針だ。パブリックコメントを経て夏ごろに正式な計画を策定する。
無電柱化の対象としている歩道幅員2・5b以上、延長2328`の都道のうち、42%に当たる延長986`の地中化が19年度末に完了した。このうち首都高速中央環状線の内側に当たるセンター・コア・エリアの都道は無電柱化率がほぼ100%に達した。
今回の改定案では今年2月に策定した無電柱化加速化戦略を踏まえ、40年代に向けた無電柱化の基本的な方針や目的を示すとともに、今後5カ年で都道1067`、国道62`、区市町村道278`の計1407`を整備することを定めた。
路線選定の方針としては、緊急輸送道路は24年度までに50%達成を目指して第1次緊急輸送道路(整備計画延長403`)の無電柱化に取り組む。環状七号線内側エリア(73`)や主要駅周辺(591`、区部30駅・多摩50駅)は、無電柱化が完了した道路との連続性を考慮して優先路線を選ぶ。
臨港道路や島しょ地域、区市町村道の無電柱化も加速させる。臨港道路では東京港の防災力強化に特に寄与する緊急輸送道路を35年度までに100%無電柱化し、東京港エリア全体では40年度の整備完了を目指す。
島しょ地域では約240`の都道があるうち、生活地域や公共施設への電力供給、通信の確保に必要な区間約170`を整備対象とする。加えて、30年度までに各島の主要な11港と5空港の無電柱化を完了させる方針だ。
都内の道路の多くを占める区市町村道に対しては自治体への財政・技術的な支援を強化。「無電柱化チャレンジ支援事業制度」の認定期限を23年度末まで延長するとともに、区市町村道の新設・拡幅整備事業で無電柱化する場合の補助率を引き上げるなどの取り組みで無電柱化を促していく。
提供:建通新聞社