国土交通省関東地方整備局はICT土工の実施方針を見直して、発注者指定型の適用対象をCランク工事の一部にまで拡大する。ICT施工の経験がない企業も多いため、こうした工事の全てに「3Dチャレンジ型」を適用。施工者の希望に応じて支援することで、ICTの活用機会を増やして建設業の生産性の底上げを図る。5月以降に入札手続きを行う工事に適用する。
関東地整はこれまで、土工を含む予定価格3億円以上の工事について発注者指定型でICT施工を導入することとしていた。また、土工量が1万5000立方b以上あれば、予定価格2億円の工事も発注者指定型にしていた。
今回の見直しでは土工量が1万立方b以上あれば、Cランクに相当する予定価格6000万円の工事から発注者指定型を適用。これまでも施工者の希望でICTが8割程度活用されてきた1万立方b以上の土工についてはICTの活用を原則化することになる。
このため、不慣れな施工者が技術的な支援を受けることができる「3Dチャレンジ型」の試行対象を、予定価格3億円未満の全工事に拡大。ICT施工の実績がない施工者が希望すれば、関東地整が委託した技術支援者を通じて▽ICT施工の対象範囲の検討▽3次元設計データの作成方針▽出来形管理の手法―などをアドバイスして、ICTの活用を後押しする。
また、施工者希望T型の適用に関わる金額や土工量を引き下げて、「予定価格が6000万円以上3億円未満で、土工量7000立方b以上1万立方b未満」または「予定価格6000万円未満で土工量7000立方b以上」に変更。該当する工事はICT施工の標準的な工程のうち、3次元起工測量とICT建機による施工を必要とせず、設計データ作成と出来形管理、納品にのみ3次元データの使用を求める「簡易型ICT活用工事」を適用できるようにする。
提供:建通新聞社