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建通新聞社(東京)
2021/04/26

【東京】遠隔臨場の活用拡大 3億円以上は発注者指定

 
国土交通省関東地方整備局は、遠隔臨場の標準化を見据え、活用現場をこれまでより拡大する2021年度の試行方針を策定し、管内の事務所に通知した。本官工事と、予定価格3億円以上の分任官工事については発注者指定で実施する。その他の全ての工事についても受注者に意向を確認し、希望があれば発注者指定と見なして試行に必要な費用を全額、発注者が負担する。インフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を加速させ、新型コロナウイルス感染症の拡大対策としてだけでなく、建設現場の働き方改革にもつなげる。5月1日以降に入札契約手続きを開始する工事から適用する。
 遠隔臨場は、これまで監督官と受注者の対面により行っていた段階確認や材料確認を、身に着けることのできるカメラや通信機器を用いてリモートで行うもの。新型コロナ対策を契機として20年度に急速に普及し、特に関東地整管内では全国で最多の166工事(31事務所)で試行した。監督官は自席・在宅で立ち会いできるようになり、受注者もスケジュール調整が容易になって臨場時の待ち時間がなくなるなど、双方でメリットが確認できた。
 関東地整は今回、さらなる試行の拡大に向けた方針を策定。予定価格3億円以上の工事を発注者指定とするだけでなく、3億円未満であっても立ち会い頻度の高い現場など遠隔臨場が有効な工事については、事務所長の判断により発注者指定で導入する。既に入札手続きを進めている案件を含め、全ての工事で受注者に意向を確認し、希望があれば試行する。受注者から見積もりを徴収して技術管理費に積み上げ、設計変更により全額を発注者が負担する。
 遠隔臨場の手法は▽ウエアラブルカメラと通信機器、ソフトなどのパッケージシステム▽動画・音声機能などを備えた情報共有システム(ASP)▽ウェブ会議システム(Teams、Zoomなど)―を想定。動画撮影用のカメラは安全対策のためハンズフリーで撮影できる者を使用する。
 試行する際、受発注者にアンケート調査を行い、効果の検証、課題の抽出を行う。
提供:建通新聞社