首都高速道路会社は2021年度の発注見通し(4月1日現在)に、東京高速道路(KK線)の別線地下整備計画案に関わるトンネル概算設計や、新大宮上尾道路・与野〜上尾南の橋梁設計などを盛り込んだ。また、東京西局新富分室の耐震補強・減築、都心環状線・日本橋地区の地下化と新大宮上尾道路・与野〜上尾南の整備に向けた試掘といった工事を挙げた。
KK線の別線地下整備計画案に関わるトンネル概算設計は、本社の「別線(地下)整備計画案開削トンネル(西銀座JCT周辺)概算設計」と「別線(地下)整備計画シールドトンネル概算設計」。それぞれ施工計画の検討や近接構造物の影響解析を含めた業務で、トンネル設計の有資格者を対象とした公募型プロポ・標準タイプ(WTO対象)で第3四半期に委託先を決める。履行期間約17カ月で成果を得る。
新大宮上尾道路・与野〜上尾南の橋梁設計は、更新・建設局の「(高負)新大宮上尾道路(与野〜上尾南)4号橋他上部概算・下部実施設計」と「(高負)新大宮上尾道路(与野〜上尾南)本線3号橋他上部概算・下部実施設計」。橋梁設計の有資格者による公募型プロポ・標準タイプ(WTO対象)で第2四半期に4号橋他、第4四半期に3号橋他の委託先を決め、履行期間約15〜17カ月で成果を得る。
これらを含む調査・設計の総件数は158件で、業種別に見ると計画調査が35件、橋梁設計が24件、その他調査が23件などとなっている。契約方式別では公募型プロポーザル・手続き簡略タイプが71件で最も多く、価格交渉の39件や公募型総合評価決定・技術提案タイプの28件などが続いている。
一方、都心環状線・日本橋地区の地下化などに向けた試掘は更新・建設局の「(高改負)高速都心環状線(日本橋地区)他試掘等工事」。千代田区、中央区、さいたま市を施工場所に事前試掘などを行う2億〜4億円の案件だ。土木の有資格者による施工能力確認方式で第1四半期中に施工者を決定し、工期約12カ月で完了させる。
東京西局新富分室(中央区)の耐震補強・減築は同局の「(修費)管理用建物改修工事2021―1―1」で、8億〜23億円の案件。建築の有資格者による技術提案交渉・複数者交渉Bタイプで第3四半期に施工者を決定し、工期約35カ月で進める。
川口線の構造物改良は東京東局の「(修)構造物改良工事2―8」で、埼玉県川口市で約350基の支承取り換え工や約300基の落橋防止装置工などを実施する23億〜50億円のWTO対象案件。道路保全土木の有資格者による第2四半期の一般競争入札で施工者を決定し、工期約40カ月で完了させる。
工事の総件数は36件。工種別では道路保全土木の10件を筆頭に、道路保全施設が8件、電気通信が5件、建築、舗装、塗装が各3件で続く。また、契約方式別では施工能力確認が20件と過半を占めている他、単価提示・見積もり審査が6件、一般競争入札と技術提案価格交渉・1者交渉が各3件などとなっている。
提供:建通新聞社