国土交通省近畿地方整備局は、2021年度当初予算の同局関係配分を公表した。予算の総額は約1兆0803億円。内訳は直轄事業費約3002億円、補助・交付金事業費約7600億円、国庫債務負担行為(ゼロ国債)約200億円。直轄の新規事業では、河川関係で淀川大堰閘門事業、道路関係で国道43号名神湾岸連絡線、港湾関係で舞鶴港和田地区国際物流ターミナル(マイナス12b)整備事業に着手する。
各分野の予算規模は治水に1189億1400万円、海岸に50億8500万円、道路整備に3279億8800万円、港湾整備に334億7800万円、都市水環境整備に59億9000万円、国営公園等に48億6000万円、官庁営繕に12億2100万円を盛った。補助事業の住宅対策には492億5500万円、市街地整備には504億1000万円、下水道には246億6100万円、防災・安全交付金には2757億2200万円、社会資本整備総合交付金には1822億2000万円を充てる。
河川関係の直轄分では、新規着手する淀川大堰閘門事業(大阪市)に約14億9400万円を充てる。大川と淀川の分派点に位置する淀川大堰に上下流を結ぶ閘門を設置、淀川河口・大阪湾と淀川上流の間を船が行き来できるようにする。25年大阪・関西万博開催までの完了を目指す。
新規事業ではこの他、直轄分で紀の川無堤部解消麻生津地区(和歌山県紀の川市)に約20億8000万円、栗栖川まちづくり連携治水対策段之上・新宮地区(兵庫県たつの市)に約13億4000万円、補助分で大谷川大規模特定河川事業(京都府福知山市)に約1億円、武庫川大規模特定河川事業(兵庫県尼崎市、西宮市)に約5億円、熊野川事業間連携河川事業(和歌山県新宮市)に約1億5000万円、文珠川事業間連携砂防等事業(奈良県生駒市)に7300万円を配分する。
道路事業で新規着手する国道43号名神湾岸連絡線には約1億円を盛り、調査設計などに入る。兵庫県西宮市今津水波町〜西宮浜2丁目の延長約2・7`を対象区間に、2車線(幅員14・5b)の高架構造で名神高速道路と阪神高速道路5号湾岸線を直結する。国道27号青葉改良(福井県高浜町〜京都府舞鶴市)にも約1億円を充て、延長約1・7`区間の調査を進める。
この他、主要道路では、淀川左岸線延伸部に約8億円、大阪湾岸道路西伸部に約114億円、清滝生駒道路に約24億円、野洲栗東バイパスに約38億円、大和御所道路に約98億円、大野油坂道路(大野東・和泉区間)に約146億円を盛った。
港湾・空港関係では、新規着手する舞鶴港和田地区国際物流ターミナル(マイナス12b)整備事業に約5億円、姫路港広畑地区国際物流ターミナル整備事業に直轄分と補助分を合わせ、約2億円を充てる。
官庁営繕事業では、新たに大阪第3地方合同庁舎設備改修に2500万円、敦賀地方合同庁舎長寿命化改修に700万円、国立京都国際会館設備改修に7600万円、大阪港湾合同庁舎設備改修に5600万円を盛り込んだ。
公園事業では、国営飛鳥・平城宮跡歴史公園平城宮跡区域の第一次大極殿院南門復原に約26億円、国営明石海峡公園に約15億円、淀川河川公園に約7億円を盛った。
提供:建通新聞社