昨年3月に小規模な崩落が発生した智頭町大呂山の第4回地すべり検討会(座長・藤村尚鳥取大学名誉教授)が25日開かれ、地元代表の委員は次の崩落に備えて県道(津山智頭八東線)のトンネル化を要望。万が一の際の抜本対策を求めた。
この日の会合では、八頭県土整備事務所が斜面崩壊の想定で▼下腹分離ブロック3万1000立方b▼下腹ブロック9万立方b▼中腹ブロック42万立方b▼上部ブロック79万立方b―の規模が異なる4パターンに分けて応急対応策を提示。
21年度は、斜面下を流れる北股川に設置してある仮排水路を106b延伸するほか、川沿いを走る県道については虫井神社側に迂回路として付け替える計画を示した。
その上で、下腹分離ブロックと下腹ブロックが崩れた場合は、仮排水管と県道迂回路が機能を果たすとし、それ以上の中腹、上部ブロックの崩壊には今後5年間で地すべり対策に取り組むと説明した。
これに対し、地元の委員は「(県道を)トンネル化した迂回路も必要」「『安心』がなければ上流(芦津、八河谷)の過疎化に一層、拍車が掛かる」と相次いで指摘。また、整備した林道の迂回路については「夏場に崩落が起きるとは限らない」と訴え、冬期間に迂回機能が働かない脆弱さを不安視した。
このほか会合では、地すべり対策について、集水井工や横ボーリングなど地下水位の抑制工を中心とした工法を議論。引き続き調査の継続を決めた。
日刊建設工業新聞