高知県は、おおむね20〜30年の中長期的な視点で目指すべき道路ネットワークの方向性を定める「新広域道路交通ビジョン」と、ビジョンに基づき平常時と災害時の人流・物流について具体的なネットワークを示す「新広域道路交通計画」を策定した。現在の高規格幹線道路と地域高規格道路から、今後は「高規格道路」「一般広域道路」「構想路線」の3段階で広域道路ネットワークを策定、災害に備えたリタンダンシー確保と国土強靱(きょうじん)化を基本戦略とする。今後、四国4県の各県版を踏まえ、四国地方整備局がブロック版のビジョンと計画を策定する。
県が示した新たな広域道路ネットワークの考え方は、高規格道路が高規格幹線道路とそれらと一体となって機能する道路で、サービス速度がおおむね時速60`以上。現在高規格幹線道路として位置付けている四国横断自動車道、高知東部自動車道に加え、地域高規格道路の阿南安芸自動車道と高知松山自動車道が対象となる。
一般広域道路は、高規格道路以外でサービス速度がおおむね時速40`以上の道路が対象。現在地域高規格道路に位置付けている佐川須崎道路と直轄国道が該当する。佐川須崎道路は現在県が整備を進めている国道494号佐川〜吾桑バイパスのことを指す。
構想路線は、高規格道路などとしての役割が期待されているものの、起点や終点が決まっていないなど、調査に着手していない路線が対象。今回の計画では、高知市五台山から浦戸湾を渡り、いの町方面に向かう「高知広域環状道路」、奈半利町と室戸市を結ぶ「奈半利室戸道路」、四万十市から土佐清水市、大月町を通り宿毛市に至る「幡多西南地域道路」の3路線が示された。
広域道路ネットワークは、全国的に高規格幹線道路の整備が進んできたことに加え、国土強靱化対策への対応など、以前と比べ道路に求められる役割が大きく変化してきたことから、国土交通省が都道府県に対し新広域道路交通ビジョンと新広域道路交通計画の策定を依頼していた。
提供:建通新聞社