東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、3月23日に開いた理事会で2021年度の事業計画案などを決議した。各会場の仮設オーバーレイ整備の契約状況についても報告。大会延期に伴う実施設計と整備費用の変更について、契約の変更手続きを進めている。2月末現在で契約変更手続きが完了したのは、対象契約38件のうち、23件となった=表。
仮設オーバーレイは、新設・既存会場と仮設会場について、大会用に使用可能な状態にするために整備する仮設の基礎構造・設備や装具、機器の総称。
運営用のプレハブ・テントや放送用の照明、観客用座席、セキュリティーフェンス、競技スペースなどを指す。実施設計と大会後の撤去を含めた工事を一括して契約している。
内容は、大きく分けて「一般建設工事」と「コモディティ工事」の二つ。
一般建築工事では、▽競技用照明の仮設設置に伴う躯体補強▽会場内への諸室新設▽スロープ・手すりの設置▽アスファルト舗装の敷設・撤去や樹脂製養生マット敷設などの外構整備▽機器電源配線やケーブルラックの設置―などを実施する。
コモディティ工事では、▽スクリーニングエリアやワークフォース(従事者)控室、大型車両用車庫、練習会場などに使用するテント▽プレハブ・ユニットハウス▽仮設観客席▽フェンス▽仮設照明▽放送用設備などに使う仮設支持構造物―などを整備する。
20年に大会延期が決まった時点で、すでに工事が進んでいた施設もあり、設備の残置または撤去、再設置など、会場ごとに対策を取った。
例えば、青海アーバンスポーツパークでは、仮設グランドスタンドを解体撤去し、潮風公園では強風への備えとして高さ23・6bある大型ビデオボードの上層部の撤去などを実施。工事再開に先立ち、契約変更手続きを進めている。
提供:建通新聞社