大阪府は2021年度、安治川水門の全面改築に向けた調査検討に着手する。府では三大水門と呼ばれる木津川水門、安治川水門、尻無川水門を順次改築していく計画で、先行着手した木津川水門に続いて2番目の本格着手となる。安治川水門については34年度までの事業完了を目指している。
三大水門は、いずれも完成から50年近くが経過し、老朽化も進んでいることから計約360億円を投入して改築する。木津川水門、安治川水門、尻無川水門の順で進めていく考え。現水門の機能を維持しながらの更新となるため、それぞれの水門付近に新水門を整備する計画。新水門の形式は引き上げ式構造ローラーゲートを想定している。
安治川水門については唯一商業地域が近いことから、水門周辺に期待する姿や景観などについて、デザインコンペを実施することも検討している。21年度は地質調査などを行い、検討材料を収集する考えだ。
安治川水門は大阪市港区弁天6ノ3ノ13に所在。国内最初のアーチ型水門として1970年に完成した。アーチ型ゲートの主水門とスイング式ゲートの副水門を備えている。
提供:建通新聞社