名古屋市観光文化交流局は3月22日、第8回市民会館の整備検討懇談会を開き、新型コロナウイルス感染症の影響を把握するため実施した民間事業者ヒアリングの結果を踏まえた検討事項を提示した。新たな劇場(市民会館)の施設整備では、ホールの配置(立体または平面)や整備方針(段階的整備または一括整備)、合築または別棟、民間施設用途などを検討事項に挙げた。2021年度に開く第9回整備検討懇談会で基本構想案を示し、パブリックコメントを実施、同年度内に基本構想を策定する方針だ。引き続き、整備・管理運営基本計画の検討に入り、22年度に基本計画の策定を目指す考え。
民間事業者に対するヒアリング(10者程度を対象に実施と説明)を踏まえた検討事項は、ホールでは配置と整備方針、ホール以外では導入する民間施設用途と公園機能の確保方法などとしている。これまで、ホールの配置は平面配置、整備方針は段階的整備(古沢公園街区、市民会館街区の順に整備)を想定してきた。民間事業者は、敷地面積に対して求める建物やホール数が多いため、配置の自由度が高くなる立体配置や一括整備を提案したようだ。
民間施設用途について民間事業者は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、ホテルや飲食は厳しい状況にあり、オフィス(業務)用途はテレワーク普及により様子見、住宅は比較的影響が少なくニーズが高いといった回答をしたという。これに対し市は、引き続き市場性の変化を注視しながら公共施設(ホール)としての役割を踏まえた上で、敷地内での民間施設の整備方針を検討する必要があるとしている。
その他の民間ヒアリング結果では、ストリーミング配信対応など、将来のデジタル技術革新にも対応できる拡張性を持つ劇場など、これまでの概念にとらわれない考え方の導入を検討する必要があるとした。
これまでの検討で、必要な施設機能は、現在の大ホールの役割を引き継ぐ第1ホール(2000〜2200席)、現中ホールの役割となる第2ホール(1300〜1500席)、新規増設で新劇場の目玉ともいうべき第3ホール(800〜900席)やスタジオ、練習室などで構成。敷地は、現市民会館が1万4205平方b、古沢公園が5200平方b。
既存の市民会館の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上6階建て延べ2万8245平方b。
所在地は中区金山1ノ5ノ1。
提供:建通新聞社