東京都は、内閣府の東京圏国家戦略特別区域会議に、三井不動産(中央区)が事業主体となる「日本橋一丁目1・2番地区」の再開発を都市再生プロジェクトとして追加提案した。2021年度内の認定を見込む。日本橋周辺では、首都高速道路の地下化をにらみ、再開発の動きが活発化している。五つの地区で計画が進んでおり、いずれも敷地の集約と高度利用を図りつつ、日本橋川沿いは低層化し、水辺のオープンスペースと歩行者ネットワークをつくり出す。
「日本橋一丁目1・2番地区」では、施設規模や用途などはまだ具体化していないものの、日本橋地域の魅力を発信する文化交流施設を整備する他、日本橋川の親水空間を創出する方針。
現状は小規模な建物が川に背を向けて並んでいることから、他地区の再開発事業と連動し、川べりを歩いて散策できるよう再編する。
都市再生プロジェクトに認定されると、都市計画法などの特例対象となる。都とそれぞれの自治体で実施する必要がある都市計画決定や許認可の手続きをワンストップ化することができ、スピーディーな街づくりを実現できる。
日本橋川周辺で計画されている再開発は@日本橋室町一丁目地区A日本橋一丁目東地区B日本橋一丁目中地区C日本橋一丁目1・2番地区D八重洲一丁目北地区―の五つ。このうち「日本橋一丁目1・2番地区」以外はすでに国家戦略特区の都市再生プロジェクトに認定されていることから、今回で5地区全てが追加されることになる。
5地区のうち最も計画が進んでいるのは、歴史的建造物の野村證券本社本館・別館がある街区が含まれる「日本橋一丁目中地区」(中央区日本橋1ノ4〜12、区域面積約3・9f)。すでに既存建物の解体工事が始まっており、A〜D街区に分けて施工するうち、メインとなる再開発ビルの新築工事に9月にも着手する。再開発ビルの規模は、鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート造地下5階地上52階建て延べ36万8700平方b。
都市再生プロジェクト全体では、都が提案したプロジェクトは合計42事業となった。42プロジェクト全体で、約18兆円の経済波及効果を生むと試算している。
提供:建通新聞社