日野町と滋賀県土地開発公社が2018年10月20日付で協定を締結し、同公社が協定に基づき事業を進めている「日野町西大路地区定住宅地整備事業」(1区画面積約200平方b、全24区画)は、当初予定通り、今年度中(21年3月末まで)に工事が完了し、9月から現地説明会を開催、10月から分譲を開始する運びとなっている。
分譲地は、公募により『コスモス ラーラ西大路』と命名。地域に広がるコスモス畑と、『合唱のまち日野』に相応しい歌声から響きの良いフレーズをとって名付けられた。
事業は、少子高齢化などにより減少傾向にある西大路地区の定住人口を増やすため、国道477号沿いの土地(面積7919・1平方b)を開発し、幅員6bの開発道路、公園1ヵ所(302平方b)を整備、戸建住宅地5089・4平方b(24区画)を創出した。宅地整備のノウハウを有する県土地開発公社と協定を結び、公社が町に代わって事業を行なっている。
県土地開発公社が用地買収から測量設計、造成工事、分譲まで実施するための事業費借入に対し、町が債務保証を行なうことを担保する目的で債務負担行為を設定。計画通り23年度(令和5年度)末までに宅地が完売できれば町の支出は不用となる。
宅地整備がされた西大路地区の国道477号沿いは、都市計画の市街化区域で住居系に指定されている。過去に、組合施行の土地区画整理事業(面積約16f)が計画されたが実現せず、逆線引(市街化区域から市街化調整区域への編入)の可能性が懸念される状況となり、16年度に町が不退転の決意で市街化誘導を行なう方策の検討を実施。この報告書をもとに17年度に地元と協議を進め、18年3月、地元・西大路自治会から地権者の同意書を添えた宅地整備に係る要望書が提出されたことから公社と協議を進め、実現に漕ぎ着けた。
今回宅地整備を行なったのは、検討調査を行なった4つのゾーン6候補地の一つ。現在、町は西大路地区を含む町東部地域の活性化に向け、日野東部広域農道のミッシングリンクを解消、通勤時間帯の渋滞が慢性化している国道307号を補完する南北幹線・町道西大路鎌掛線の整備を進めており、また、田園回帰により都市からの移住で注目されるこの地域において、今を好機と捉え取り組みを進め、今回を第1弾として、第2弾、第3弾へと宅地の拡大を期待する。
同町は、名神高速道路及び新名神高速道路をはじめとする主要幹線道路へのアクセスの容易性から、内陸型工業の企業立地が進行。既存の工業団地はほぼ充足状態にあるが、新たな工業用地の開発計画も進んでおり、今後においても開発ポテンシャルは高い。
町の中心地・日野小学校区で、旧市街地に隣接して区画整理され形成された新市街地に人口集中が進み、町の人口は自然減を社会増で補う状態で微減傾向。西大路地区は、校区は変わるが市街地に連なる地区となっている。
提供:滋賀産業新聞