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建通新聞社(中部)
2021/03/18

【愛知】名古屋市 堀留水処理Cを廃止へ

 名古屋市上下水道局は、堀留水処理センターについて廃止に向けた検討に着手する方針を明らかにした。同処理センター敷地の上部空間を有効活用するに当たり、同地のポテンシャルをより高めるため、水処理施設を維持するよりも施設を無くす方が得策と判断した。2021年度は、同水処理センターの機能代替に向け、必要となる下水道施設の移設や移設先施設の能力補強などを盛り込んだ整備計画を策定する。また、有効活用開始までの期間短縮を実現させるための新技術検証を実施する考えも示したが、現時点では同処理センターの上部空間活用の開始目標は27年度のまま変えていない。
 堀留水処理センターは、標準活性汚泥法を採用し、処理能力は1日当たり20万立方b。沈砂池10池、最初沈殿池7池、反応タンク8槽、最終沈殿池34池で構成する。敷地面積は、旧管理棟などが所在する東側部分で約7800平方b(処理施設は隣接する久屋大通公園フラリエなどの地下部にもある)。地下部を含めた全体面積は約2万5500平方bとなっている。
 整備計画策定に当たりポイントとなるのは、同処理センター敷地の有効活用開始までの期間を短縮させるための新技術の情報収集と技術検証。処理施設の機能移設と省スペースでの施設配置が求められる。具体的な新技術は、21年度調査で検討するとしている。最終沈殿池や塩素混和池が不要なMBR(膜分離活性汚泥法)は候補の一つとなりそうだ。
 整備計画ではこの他、代替機能を配置する水処理センターや堀留水処理センターから汚水を送る連絡管の検討などを行う見通し。代替機能を担う下水処理場は決まっていないが、新堀川下流側にある熱田、伝馬町、千年の各水処理センターのうち、敷地内にスペースがあるのは千年水処理センターのみとみられる。
 堀留水処理センター上部空間などの活用では、関係部局による庁内プロジェクト協議会を19年度に設置。20年度は事業化に向けた条件整理といった基礎的な検討と、上部空間の有効活用に向けた施工方法などについて民間事業者へのヒアリングを実施した。ヒアリングでは、水処理センターを現敷地で維持したまま上部空間を活用するのは可能であるものの、人工地盤を構築する必要性などが指摘されたという。関係部局は同局の他、観光文化交流局、住宅都市局、緑政土木局。21年度からは経済局も加わり、協議会で検討を行う。

提供:建通新聞社