神奈川県建設業協会(神建協)と神奈川県県土整備局との意見交換会が11日に神奈川県建設会館で開かれ、協会側は、計画的な入札執行とともに、若手人材の担い手確保や技術者スキルアップへの支援などを求めた。入札の執行に対して県側は、平準化とともに発注が集中しないよう計画的に取り組む方針を伝えた。
あいさつの中で神奈川県県土整備局の上前行男局長は、東日本大震災から10年を経て「業界の皆さんには、当時いろいろなご苦労、ご尽力をいただいた。県民の命と財産を守る活動に引き続きご協力をお願いしたい」と謝意を示すとともに、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策が昨年末に閣議決定し、2020年度第3次補正予算で強靭化関係の経費も計上された。皆さんの国などへの要望が実を結んだものだと思う。われわれもそれに報いるよう、円滑に事業を執行していく。協会と連携し、地域の安全・安心を守っていきたい」との考えを強調した。
神建協の松尾文明会長は、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の方針が出され、補正予算に基づき経済対策が行われることはうれしいことだ」とする一方、「どのように地方、そして県内全域に行き渡り、仕事が回っていくのか。われわれとして、どのような体制を整えるべきか、意見を交わしたい」と述べた。
協会からの主な意見、および県からの主な回答は次の通り。
【神建協】
▽国の3次補正予算、令和3年度(2021年度)当初予算が集中することとなる。全体として早期発注を目指す流れは理解するが、国、県、市町村から一斉に発注が集中することのないよう、連携して計画的な対応を要望したい。
▽若者の担い手不足が課題である。昔と比べてなかなか技術者たちのスキルが上がっていかない。災害復旧などいろいろな現場へ行き、現状を見ることが大切。
【県】
▽発注者協議会などを活用し、平準化を図りながら、発注が集中しないよう計画的に取り組んでいく。
▽国土強靭化5か年加速化対策を円滑に執行することの目的は、県民の安全・安心の確保のためであることを協会の皆さんと共有し、引き続き連携を図っていきたい。
提供:建通新聞社