石川県土木部は、頻発する集中豪雨に対する治水対策の強化に向け、新年度も抜本的な河川改良などを促進していく。21年度実質当初予算案には所要の経費として、債務負担行為を含め総額110億7847万7000円を盛り込んだ。
近年、全国各地で集中豪雨による被害が多発しており、県土木部では国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を活用し、ハード・ソフト両面から治水対策を推し進める。
抜本的な治水対策である河川改良については、県内全域の16河川(若山川、町野川、河原田川、熊木川、鷹合川、米町川、森下川、大野川、犀川、安原川、高橋川、西川、前川、八丁川、柴山潟、動橋川)での河川拡幅や堤防整備などを加速させ、犀川「普正寺橋」、森下川「森本大橋」の橋りょう架替工事にも新規着手する。実質当初予算案における広域河川改修費は102億4147万7000円(債務負担行為含む)となっている。
河川の堆積土砂対策費には6億5000万円が計上され、予防保全対応による計画的な堆積土砂の除去を実施。概ね3年〜5年の周期で堆積土砂除去が必要な約160河川を予防保全対象とし、新年度については22(令和4)年出水期中に治水上支障をきたす恐れのある浦上川など35河川を対象に工事着手する。
このほか、洪水に対する避難体制の強化を図るため、小規模河川における洪水浸水想定区域図の作成にも着手。既に策定済みの水位周知河川28河川以外の小規模河川について、浸水が想定される範囲などを示す同区域図を新たに作成し、23(令和5)年の出水期までの公表を目指す。実質当初予算案には債務負担行為を含め1億8700万円が盛り込まれた。